10月15日、平壌(ピョンヤン)の金日成競技場で2022年カタールW杯アジア2次予選・第3戦、北朝鮮対韓国の試合が行われ、0-0のスコアレスドローに終わった。
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ここまで予選2試合を全勝していた両チームによる直接対決は、勝ち点1を分け合う結果となった。韓国は得失点差で北朝鮮を上回り、グループHの首位を維持している。
韓国代表を率いるパウロ・ベント監督は、右ひざの負傷によりメンバーを外れたイ・ヨンを除き、第1戦のトルクメニスタン戦と同様のメンバーを先発に送り出した。2トップを主将のソン・フンミンとファン・ウィジョが務め、MFにはイ・ジェソン、チョン・ウヨン、ファン・インボム、ナ・サンホが並んだ。DFラインにはキム・ジンス、キム・ミンジェ、キム・ヨングォン、キム・ムンファンが名を連ね、キム・スンギュが守護神を任された。
一方の北朝鮮は、9月にイタリア・セリエAのユベントスと契約し注目を集めたハン・グァンソンや、東京ヴェルディでプレーする在日コリアンのリ・ヨンジクが先発出場した。
1990年の南北統一サッカー大会以来29年ぶりに平壌で開催された南北戦は、海外メディアがシャットアウトされたため、マッチコミッショナーより送られる簡略なテキストによって速報が伝えられた。
異例の無観客試合となったことで、両チームの間にはただならぬ緊張感が漂った。現地にいた北朝鮮駐在スウェーデン大使のヨアヒム・ベルクストレームのSNSによると、前半途中に両チームが衝突する場面もあったという。衝突した詳細については知らされていない。
前半を無得点で終えた韓国は、ハーフタイムでナ・サンホに代わりファン・ヒチャンを投入。後半10分と17分にキム・ヨングォンとキム・ミンジェの両センターバックにイエローカードが提示されたものの、ベント監督はクォン・チャンフンとキム・シンウクを続けて投入する攻撃的な采配を見せる。対する北朝鮮も後半36分にDFシム・ヒョンジンを下げMFキム・グムチョルをピッチに送り、攻勢に乗り出した。
だが最後までゴールネットが揺れることはなく、ロスタイム3分が経過した時点で終了を告げる主審の笛が鳴った。FIFA会長のジャンニ・インファンティーノも観戦した南北戦は、0-0の引き分けに終わった。
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