リバプールのユルゲン・クロップ監督が認めた“マシーン”ファン・ヒチャン(ザルツブルク)は、“韓国代表のマシーン”に生まれ変わることができるだろうか。
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パウロ・ベント監督率いるサッカー韓国代表は10月10日午後8時、華城(ファソン)総合競技タウン・メインスタジアムで、スリランカとカタールW杯アジア2次予選のホームゲームを行う。
スリランカはFIFAランキング202位のチームなので、試合は韓国が余裕を持って勝つと予想されている。特に今回は、欧州で絶好のコンディションを維持しているファン・ヒチャンのゴールが期待されている。
ファン・ヒチャンは2019-2020シーズン序盤、恐ろしい得点力を見せている。オーストリア・ブンデスリーガとFAカップ、UEFAチャンピオンズリーグまで含めて17の攻撃ポイント(7ゴール10アシスト)を記録し、サッカーの本場で“注目選手”となった。
ファン・ヒチャンの活躍は、去る10月3日に英アンフィールドで行われたチャンピオンズリーグのリバプール戦に象徴される。
所属するザルツブルクが0-3でリードされた前半39分、ファン・ヒチャンはペナルティエリア内で世界最高のDFに選ばれたフィルジル・ファン・ダイクを交わし、強力な右足シュートでリバプールのゴールネットを揺らした。
試合直後、敵将クロップ監督がファン・ヒチャンに近付いて何やら話しかけたのだが、その言葉が話題になった。ファン・ヒチャンは韓国代表に合流した後、当時を思い出して「クロップ監督が英語で“マシーン、マシーン”と言いながら笑った。だから僕は感謝の言葉を伝えた」と明かした。
欧州で大活躍を見せるファン・ヒチャンだが、韓国代表ではあまり目立った活躍を見せられていないのが現状だ。
2018年9月にベント監督が就任してから計11試合に出場したが、得点は1ゴールにとどまっている。ファン・ヒチャンが良くないというよりかは、韓国不動のツートップであるファン・ウィジョ(ボルドー)とソン・フンミン(トッテナム)の存在が大きいだろう。
また2列目でもベント監督は、技術力が高いイ・ジェソン(キール)やクォン・チャンフン(フライブルク)などを起用した。ファン・ヒチャンが活躍できる余地が少なかった。さらに9月に行われたジョージアとの親善試合では、慣れていない右ウイングバックとして起用され、不振な姿を見せた。
ファン・ヒチャンは「代表チームではプレーしたいポジションでプレーすることができるわけではない。どんなポジションであっても、与えられた場所で最善を尽くし、良い競技力に常に見せたい気持ちだけだ」と意志を固めた。
ベント監督は10月9日、攻撃陣の構成について聞かれた質問に「今夜決める」とだけ答えたが、ファン・ヒチャンを重要視する可能性が高いとされている。
ファン・ヒチャンの視線は今、スリランカ戦に向かっている。
スリランカは今回のアジア2次予選に出場する40カ国の中で、最も順位が低い。最近のAマッチ4試合で、1ゴール14失点という成績を残しているほどだ。ベント・コリアがホームで大量得点する可能性も十分だろう。
それはすなわち、欧州で見せているファン・ヒチャンの攻撃力を韓国サッカーファンに見せつける絶好の機会でもある。ソン・フンミンも最近のファン・ヒチャンについて、「(ヒチャンは)頑張っていて良い。破壊力のある選手だ。ドリブル突破からフィニッシュまで上手い」と賞賛した。
クロップ監督が認め、先輩ソン・フンミンが賞賛するファン・ヒチャンは、ザルツブルクで見せた破壊力を韓国代表でも見せてくれるか。注目したい。
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