“日本キラー”の代表入りは韓国野球の足踏み?34歳左腕が明かす寂しさ「まだ競争力はあるのに…」【WBC2023】

準備は良好だ。2月12日(日本時間)、取材に応じたキム・グァンヒョンは「“Not bad”だ。順調に過程を踏んでいる。明日は一日オフで、その翌日にライブピッチングを一度行う。そして代表招集(アメリカ現地時間14日)に向かう。3月9日がWBCの初戦だ。まだ時間がある。全力投球ができるように体をしっかり作りたい」と説明した。

気付けば投手組の年長者だ。15年前の2008年北京五輪に20歳の若さで出場して以来、着実に代表に選ばれてきた。2009年WBCの準優勝を経験したメンバーでもある。

過去も現在も、キム・グァンヒョンは国内最高の投手と呼ばれてきた。今回も代表に選ばれた理由はそこにある。ただ、今は長兄として後輩を率いる立場になった。

「太極マークをつける。代表チームはいつも誇らしい。選手たちもよくわかっているはずだ。国家代表になることだけでも光栄だ。“頑張れ”という言葉は省略しても良いだろう。上手くやらなければならない。選手たちにとってきっと良い経験になるはずだ。初めて代表に選ばれた選手もいるが、上手くできると信じている」

「代表に合流し、試合に出ること自体が大きな経験だと言う」と伝えたキム・グァンヒョン。「韓国最高の選手たちが集まる。どのようにトレーニングするのか、プレーするのかを見るだけでも学ぶことがある。自分もそうだった。今回のWBCを通じて、自分ももう一段階成長する選手になりたい。自分は自分だが、ヤン・ヒョンジョンという真面目で上手な選手がほかにもいるだろう。上手く導いてくれるはずだ」と笑顔を見せた。

続けて、「実際、リストを見たときに“これはどうすれば良いんだ?”と思った。若い選手が多い。“自分が年寄りだと認めなければならないのか”とも思った。合流して雰囲気を見てみたい。自分が若い頃にはイ・スンヨプ先輩やキム・ドンジュ先輩、チン・ガプヨン先輩、パク・ジンマン先輩たちが喜んで迎え入れてくれた。自分も後輩たちが気楽に野球できるようサポートしたい」と強調した。

キム・グァンヒョン(写真は2019年プレミア12)

明るい表情で取材に応じていたキム・グァンヒョンだが、若干の寂しさも表した。「また、キム・グァンヒョンか」という視線のためだ。

「率直に言うと、残念な気持ちもあった。自分も後輩たちと競争をしてこの場に立った。“自分はまだ競争力がある”と自分自身思っている。それだけで胸がいっぱいなのに、ファンたちはしきりに“韓国野球が足踏み状態だ”と言っていた」

こう語ったキム・グァンヒョンは、「そんな話を聞くと寂しい気持ちになる。それでも応援してくださるファンも多い。自分自身がまだ競争力があるという点に自負心を感じる。今大会を通じて、“まだ生きているんだな”という声が出るように良い姿を見せたい」と力強く伝えた。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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