韓国代表に新たな“欧州組”が誕生した。それも前線や中盤ではなくDFラインにだ。
ポルトガル・リーグのポルティモネンセは1月25日、韓国代表DFパク・ジス(28)の獲得を発表した。契約期間は2024年6月までの1年6カ月で、背番号は23番を着用する。
パク・ジスのサッカー人はまるでジェットコースターのようだ。喜びと悲しみの差が克明に分かれているからだ。
パク・ジスはKリーグ1(1部)の仁川(インチョン)ユナイテッド下部組織出身で、2013年にトップチームに合流した。
しかし、当時は1試合も出場機会を与えられずわずか1年で放出されてしまい、翌2014年は当時アマチュアリーグだったK3リーグ(4部相当)のFC議政府(ウィジョンブ)でプレーした。トップチームでのスタートは非常に険しいものだった。
それでも、2015年にはKリーグ2(2部)慶南(キョンナム)FCに移籍し、1年でプロの舞台に復帰。これが人生の転換点となった。
慶南FCで不動の主力センターバックを担い、定位置を確固たるものとしたパク・ジスは、2017年にリーグ優勝と1部昇格に貢献。翌2018年にはついにパウロ・ベント前監督のもとでA代表にも初招集された。また、同年シーズンは当時チームメイトだった日本人MF邦本宜裕(25、現カーザ・ピアAC)らとともに、昇格組ながらリーグ準優勝という快挙も果たした。
その後、2019年に中国スーパーリーグの広州恒大(現・広州FC)に移籍すると、2021年には兵役のため水原(スウォン)FCへのレンタル移籍で国内復帰。同年夏に軍隊チームの金泉尚武(キムチョン・サンム)に入隊し、2022シーズン終了後に除隊した。
昨年、パク・ジスはキャリア最大の試練を経験した。2022年カタールW杯直前に行われた国際親善試合のアイスランド代表戦で足首靭帯断裂の重傷を負い、代表落選を余儀なくされたのだ。ベント前監督は当初、パク・ジスを最終エントリー26人に含める計画だっただけに、不意の負傷でW杯を棒に振ったパク・ジスの無念さは想像に難くないだろう。
1994年生まれのパク・ジスはまだ20代だ。そのことを考慮しても、デビュー当初から現在まであまりに多くのことを経験したわけだ。
昨年にレンタル元の広州FCとの契約を解除したパク・ジスは、Kリーグをはじめアジアの複数クラブから関心を寄せられたが、自らの意志に従い、欧州の舞台に進出することを決めた。これからはポルトガル・リーグで新たな挑戦に乗り出す。
ちょうど10年前は仁川トップチームで出場機会を得られず、プロの舞台で挫折した年だった。それからあまりに多くのことを経験したパク・ジスが、新天地ポルトガルでサッカー人生の第2幕を開く。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
Copyright @ 2018 Sportsseoul JAPAN All rights reserved.
前へ
次へ