WBCはどの国際大会よりもコンディショニングに敏感な大会だ。シーズン中に開催されるオリンピックやアジア大会、シーズン直後に開催されるプレミア12と違って、WBCは本格的にコンディションを引き上げる時期の3月に行われる。本来はオープン戦の時期に最高水準の選手が集結し、ハイレベルな実戦を戦う。
そのため、オフの準備過程で変化を与えるしかない。投手陣が特にそうだ。代表キャンプが始まる2月14日に先立ち、実戦投球が可能なレベルまでにコンディションを作らなければならない。
イ監督が「本当に体をしっかり鍛えてほしい」と強調したのは、韓国代表に選ばれたすべての選手が正常なコンディションでWBCを戦うことを望んでいるためだ。
その背景には苦い記憶の残る過去を振り返らざるを得ない。2次ラウンド進出に失敗した2013年、2017年WBCのいずれも、球威が落ちたままマウンドに上がった投手が多かった。
2017年WBCでは、誰よりも厳しい日程を消化したベテラン投手オ・スンファン(40、サムスン・ライオンズ)とほかの投手とでコンディションの差が明確だった。オ・スンファン一人だけがトップレベルの球威を維持したおかげで、3戦全敗での1次ラウンド敗退を免れた。当時はキャンプ期間の負傷で投手陣のエントリーが変わるアクシデントもあった。
今回のWBCを戦う韓国代表投手陣のテーマは“変則”。球数制限を考慮し、伝統的なマウンド運営から脱する計画だ。
例えば、本来先発のキム・グァンヒョン(34、SSGランダース)やヤン・ヒョンジョン(34、KIAタイガース)が試合中盤の3~4回から登板し得る。それだけ、普通の試合よりも多くの投手が正常なコンディションでマウンドに上がらなければならない。
韓国代表はキャンプ開始2日後の2月16日にNCダイノスと初実戦を行うが、以降も米アリゾナで3~4回さらに強化試合を行う。
3月には東京ドーム開催の1次ラウンドに先立ち、大阪でオリックス・バファローズ、阪神タイガースと一度ずつ対戦する予定だ。
実戦がまさに試験台だ。コンディションを確認するのに長い時間は必要ない。代表選手が一堂に会したその瞬間、各々がどのようにオフシーズンを過ごしたかが明らかになるだろう。
選手たちもこれをよく理解している。すでに何人かの選手は、より良いコンディションでグラウンドに立つために早期出国を決断した。
オ・ジファン(32、LGツインズ)やチョン・ウヨン(23、LGツインズ)、キム・ユンシク(22、LGツインズ)は先発隊としてアリゾナに向かった。イ・ジョンフ(24、キウム・ヒーローズ)とイ・ウィリ(20、KIAタイガース)はすでにロサンゼルスで練習中だ。
代表が好成績を収めるためには、真冬に流した汗がアリゾナキャンプから輝かなければならない。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
Copyright @ 2018 Sportsseoul JAPAN All rights reserved.