後任決まらない韓国代表監督選びに元Jリーガー見解 「選手が監督に合わせるべき」と断言した理由

「僕たちはピッチ上で最善を尽くさなければならない選手です。どんな監督が来たとしても、その監督が望むサッカーをしなければなりません。例え誰が来るとしても、代表で責任を持って戦うべき選手であれば、監督に合わせてプレーしなければならない」

キム・ジンスが話したのはある種の監督と選手間における優先順位だ。ただ、監督が選手に合わせるのではなく、選手が監督の要求に従って動くべきだという考え方だった。

(写真提供=韓国サッカー協会)キム・ジンス

韓国代表の新監督選びに際して浮上したイシューの一つが“選手たちの目”だ。

前任のパウロ・ベント監督はレベルの高いコーチ陣を揃え、選手たちのニーズを満たした。体系的なトレーニングシステムやコンディション管理プログラム、細かい戦術構築などを通じて選手の信頼を得て、2022年カタールW杯でベスト16進出という結果を残した。

前体制での競争力、さらには主要選手の欧州ビッグリーグ進出により、今や韓国代表にも現代サッカーの潮流について行ける、あるいは主導できるレベルの指導者が必要になった。

次期監督が選手の期待に及ばなければ、チームを率いるリーダーシップにも傷がつく。つまりは“人心掌握力”が次期監督の核心的な資質と見ることができる。

実際、新監督選びの役目を担うマイケル・ミュラー国家代表戦力強化委員長は「私のポジションは疎通する役割、コーディネーターだと思っている。選手だけでなく、スタッフなどすべての人と疎通するつもりだ。十分なコミュニケーションが行われるだろう」とし、監督選任の過程で選手たちの意見も聴取する考えを示した。

パウロ・ベント前監督

ただ、ここで警戒しなければならないのは“順序”だ。キム・ジンスの言葉通り、新監督選びの基準は選手たちの考えが1番ではなく、監督の哲学や能力、リーダーシップが1番にならなければならない。

選手それぞれで考え方も基準も違うだけに、韓国サッカー協会(KFA)が明確な主観と客観的な指標を基に、実力のある監督を招へいするために努力することがより重要だという意味だ。

選手たちも過去の郷愁ばかりを思い浮かべるのではなく、新しい指揮官を尊重し、新しい挑戦の飴に力を注がなければならない。

だからこそ重要なのが、キム・ジンスが言及した“信頼”だ。

キム・ジンスは「最初にベント監督が就任したときも、否定的な意見は多かったです。しかし、選手たちが監督を信じて4年という時間を上手く過ごしたので、良い結果を得ることができました。新監督にどんな方が来るかは見守らなければなりませんが、自分も皆さんも信じることが重要です」とし、確実な能力と哲学を持つ指導者ならば、長い時間で信じてともに進まなければならない点を強調した。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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