オ・スンファンにとって2022年はあらゆる面で記憶に残る一年だった。
57試合に登板して57イニングを投げ、6勝2敗2ホールド31セーブ、防御率3.32を記録。シーズン中にはKBOリーグ史上初の350セーブを達成するなど、40歳を迎えた今も変わらない球威を見せつけた。
しかし、3点台の防御率を記録したのは2010年(4.50)以来初めてだった。セーブ失敗も7回あった。シーズン途中には定位置だった抑えを降りたこともあった。記録に2ホールドが残っているのもその理由だ。
オ・スンファンは足首の負傷を抱えていた。「大丈夫だ」とは言ったが、その影響があったと見るべきだ。それでも8月から本来のペースを取り戻し、以降は21試合で4勝13セーブ、防御率1.74を記録した。
浮き沈みはあってもオ・スンファンはサムスンの絶対的守護神だ。彼に代わる選手はいない。そんな選手が自身の年俸額を球団に委任したのだ。十分に自分の権利を主張することもできるはずだ。そもそも、両者間の交渉で大きな問題があったわけでもない。
今やサムスンの決定にかかっている。サムスンのブルペン投手でオ・スンファンよりも優れた記録を出した選手はいない。
統計サイト『STATIZ』によると、オ・スンファンのWAR(代替選手比貢献度)は1.69と、サムスンのブルペン投手で1位だ。先発も含めても全体4位にまで上がる。委任されたからといって無条件に削減するわけにはいかない。
オ・スンファンの2022シーズン年俸は16億ウォン(日本円=約1億6000万円)だった。白紙委任したからと言って、必ずしも年俸を引き上げなければならないということはない。
その代わり、オ・スンファンほどの大物スターがチームのために動いたという点を考慮する必要がある。サムスンも慎重にならざるを得ない。はたしてオ・スンファンの2023シーズン年俸がいくらになるのか、球団の決定が楽しみだ。
なお、オ・スンファン擁するサムスンは今月30日から3月12日まで沖縄県・恩納村の赤間球場で春季キャンプを実施。この間、2月9日には北海道日本ハムファイターズ、11日には中日ドラゴンズ、19日には阪神と練習試合を行う予定だ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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