日本もレバノンも苦しんだ北朝鮮の“人工芝”…韓国は克服できるか。サッカーW杯2次予選

何度も対戦相手を苦しめてきた金日成競技場の“人工芝”に適応できるか。サッカー韓国代表に求められる課題だ。

韓国代表パウロ・ベント監督は平壌(ピョンヤン)での南北対決を控え、韓国内で最大限に過ごして、平壌には直前入りするという自身の考えを明かした。

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9月10日(日本時間)の2022年カタールW杯アジア2次予選・第1戦でトルクメニスタン戦を2-0で下した韓国は、トルコのイスタンブールを経由し、11日に仁川(インチョン)空港へと戻ってきた。ベント監督はその場で、来る10月15日の平壌遠征について触れた。

韓国は、10月10日に華城(ファソン)総合競技タウン・メインスタジアムでスリランカ戦を、10月15日には平壌(ピョンヤン)で北朝鮮との南北対決を迎える。スリランカ戦後、韓国と時差がなく、移動距離も短い北朝鮮にいつ渡るかがカギとなるが、ベント監督は「最大限、韓国内でトレーニングを積んでから平壌へと向かいたい」との考えを述べた。

韓国代表が平壌(ピョンヤン)に行く方法は大きく2通りある。

1つは北京を経由して北朝鮮ビザをもらって行く方法だが、その場合は1泊しなければならない可能性が高く、移動による疲労が懸念される。もう1つは当日移動が可能な陸路で行く方法だ。しかし、こちらは北朝鮮当局との綿密な協議が必要となるため、実現の可能性はまだわからない。

ベント監督は、練習環境の良い韓国で最大限コンディションを整えてから平壌に乗り込む考えを示している。

だが問題は他にもある。試合会場となる金日成競技場の“人工芝”だ。

2016年11月に新たに敷かれた人工芝に、普段は天然芝でプレーしている韓国代表メンバーが対応できるかどうかが課題となる。

事実、金日成競技場で試合を行った対戦相手が、いずれも北朝鮮に苦戦を強いられていることを見逃してはならない。

2017年4月7日、金日成競技場で行われた女子サッカー南北戦

北朝鮮は9月5日、ホームで行われたレバノンとのアジア2次予選初戦で2-0の完勝を収めた。1月のアジアカップ・グループリーグで1-4と大敗を喫した相手を圧倒したのだ。

過去には2018年ロシアW杯アジア2次予選で、中央アジアの難敵ウズベキスタンをホームに招き、北朝鮮が4-2で勝利したこともあった。アウェーでは1-3と敗れた北朝鮮だが、平壌では強さを見せたのだ。さらに2014年ブラジルW杯アジア3次予選でも、北朝鮮はホームで日本を1-0で下している。

韓国には、坡州(パジュ)NFCや木浦(モクポ)国際サッカーセンターに人工芝のグラウンドが設置されている。特に木浦国際サッカーセンターの人工芝は、金日成競技場の芝と似ているとされており、2017年4月に平壌での南北戦を控えた女子サッカー代表チームが事前練習を同地で行ったこともある。

だが、ベント・コリアには木浦に向うだけの時間的な余裕がない。坡州NFCの人工芝グラウンドで練習した後に平壌へと渡り、金日成競技場で1日トレーニングをしてから実戦に臨むというスケジュールが現実的といえるだろう。

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