「地下鉄に乗るのも怖い」ソウル雑踏事故受け黙祷、喪章も…“厳粛開催”のプロ野球韓国シリーズ

会場には警察官も投入された。仁川の弥鄒忽(ミチュホル)、延寿(ヨンス)、南洞(ナムドン)の3つの警察署では、警備及び交通渋滞緩和、そして事故防止のために必要な人材を支援した。

球場内では警察官が随時パトロールを行っていた。ただ、彼らは競技・安全要員のように特別な統制をしたわけではなかった。

KBOとホームチームのSSGは、既存の100人から2倍以上増員した230人の安全要員を確保した。

SSG関係者は「レギュラーシーズン期間に100人だった安全要員の人材を、韓国シリーズの満員の観衆に備えて190人に増やそうとしていた。そんななか惨事が発生し、安全問題が台頭したため、KBOの勧告を受け入れ230人まで追加増員した」と説明した。

球場に出動した救急車と消防車
球場をパトロールする黄色いビブスの警察官

この日、競技進行・安全要員たちは試合開始3時間前に集合し、徹底した安全教育を受けた。

教育を担当した警備業者の関係者は、参加者に「最も注意しなければならないことは“安全”だ」とし、「皆さんも、観客も絶対に怪我してはならない。特に入退場時の秩序維持をしっかり管理してほしい」と繰り返し述べた。

同関係者は「惨事以後、“安全”により気を付けろという指針が下された。このため、進行・安全要員たちに“安全”をいつも以上に強調した」と説明した。

試合前に行われた安全教育

試合では国歌斉唱に先立ち、梨泰院事故の犠牲者を追悼するための黙とうの時間が設けられた。

試合中はいつも大きく響き渡る応援歌のアンプの音もなく、始球式のイベントやチアリーダーによる公演もなかった。球場に響き渡ったのは、ただひたすら声出しによる応援だけだった。

SSG関係者は「この日のSSG側の応援性の応援は、ファンによる自発的な応援だった。応援団長も試合に来ていたが、安全な観戦のための案内をしただけで、自ら応援を指揮することはなかった」と伝えた。

試合前に黙とうする選手たち
帽子に黒いリボン(喪章)をつけてプレーした選手たち

そして、実際に試合を戦ったSSGとキウムの両選手、そして両スタッフ陣も、積極的なセレモニーを自制した。

3回裏にはSSGのチェ・ジョンウンがソロ本塁打を放ったが、片手を上げただけで特別なセレモニーはしなかった。球場関係者も、SSGの選手が本塁打を打つと照明を消してライトアップする従来の演出を行わず、粛々と試合運営に努めた。

なお、試合は延長にもつれる逆転の連続の末、キウムが7-6で勝利した。試合時間4時間19分という長時間のゲームは厳粛な雰囲気のなか行われ、無事に韓国シリーズ最初の幕を閉じた。

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