今年1月の韓国代表トルコキャンプで存在感を示したチョ・ギュソンは、9月に軍隊チームの金泉尚武(キムチョン・サンム)を除隊後、復帰先の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)でさらなるアップグレードを果たしている。
最前線のFWの基本要件であるポストプレーはもちろん、豊富な運動量を活かしたチームメイトとの連係プレー、さらには裏抜けの質も向上した。そこに持ち前の決定力もあるだけに、W杯の舞台でも十分通用するものと期待できる。
チョ・ギュソンは直近の公式戦で4試合連続ゴールとなる合計6得点を決めた。
なかでも、10月27日と30日にホーム&アウェイ形式で行われたFCソウルとのFAカップ決勝ではチョ・ギュソンの真価が発揮された。
まず、アウェイでの第1戦(2-2で引き分け)ではペナルティキック成功で同点弾を決め、ホームで迎えた第2戦(3-1で勝利)では前半アディショナルタイムと後半終了間際にそれぞれゴールを沈め、全北現代に優勝トロフィーをもたらした。
特に後半終了間際のゴールは、ハーフウェイライン付近からDFラインの裏に抜け出すと、ペナルティボックス右側で相手GKのポジショニングを見定め、右足のインサイドで冷静にニアを打ち抜いた。自身の決定力がトップレベルに達していることを証明した瞬間だった。
何より、リーグ戦の記録だけ見てもチョ・ギュソンの得点能力が伺える。
チョ・ギュソンは9月に除隊した後、復帰した全北現代で8試合に出場した。同期間、枠内シュート数(全体13位)とペナルティエリア内でのシュート数(全体19位)はいずれも外国人選手を除き全体トップだった。
また、全北現代復帰後だけで4ゴールを加え、シーズン通算17ゴールとし、キャリア初となる1部得点王のタイトルを獲得した。
韓国代表はW杯グループステージでウルグアイ代表、ガーナ代表、ポルトガル代表と同組に入っている。チャレンジャーの立場であるアジア勢が本大会で成績を出すためには、守備組織の完成度を高める必要があるのはもちろんのこと、前線のストライカーの役割が非常に重要だ。
得点も重要だが、前線で献身的に体を張り、チームメイトのチャンスを創出しなければならない。
これまではファン・ウィジョがその“プランA”に適した選手だったが、現在のコンディションでは疑問符がついている。そこで最も確実な代案が、ファン・ウィジョの2番手とされてきたチョ・ギュソンだ。
現在、多くのサッカー専門家が「確かなことは、現在のコンディションとパフォーマンスはファン・ウィジョよりチョ・ギュソンの方が優れているということ」と口をそろえる。
はたして韓国代表率いるパウロ・ベント監督はストライカー問題にどのような解決策を下すのか。開幕が迫る本大会を楽しみに待ちたいところだ。