10月2日に「JR東日本カップ2022第96回関東大学サッカーリーグ戦」第15節、桐蔭横浜大学と駒澤大学の試合が行われた。
試合は前半に駒澤大学が鷹啄トラビスのロングスローを松本ケンチザンガが頭でつなぎ、小林栞太のゴールを演出し先制するも、後半に桐蔭横浜大学の山内日向汰に決められ、1-1の引き分けに終わった。
この日もフォワードで特徴を出した松本。彼をフォワードにコンバートした理由を秋田浩一監督がこう明かした。
「ヘディングだけではなくて、ボール扱いが思ったより上手。体の使い方も上手いので、ポストプレーヤーとしてはやれると思った。跳ねる力はあるので、今はあの程度だが、ちゃんとやっていけばもっともっと強くなるという期待も込めている」
さらに、巻誠一郎の名前を挙げ、「“巻は頭だよ”と、“これ”っていうのがあった。ただ、彼の方がいろんなことができるし、これからだと思う」とし、「もっとゴールへ行く意欲、“俺がストライカーなんだ”というのを、もうそろそろ見せてほしい」と期待を込めた。
9日には第16節、明治大学と拓殖大学の試合が行われた。試合は5-4で拓殖大学が勝利を収めた。
試合後、拓殖大学の玉井朗監督は「明治の主力を次々ひっこめさせた。大きな1勝」と評価した。
また、この試合で3ゴール1アシストの活躍を見せた三浦敏邦について、「大学界ナンバーワンのセンターバックと言っていいほどの選手が、彼のことを嫌がっていた。レバンドフスキみたいなことができて、これくらいは行けると思ってはいたが、事実こうなるとやっぱりやれるのだと思った」と称賛した。
12日には第17節で早稲田大学が桐蔭横浜大学を2-1で下し、今季2勝目を挙げた。
「いつも“愚直に”って言ってますよね。それが早稲田の強さですよね」
試合前、桐蔭横浜大学の安武亨監督にこう言われた、早稲田大学の外池大亮監督は、改めて愚直にやることが自分たちの強みなんだと気が付いたという。
「愚直さというのは姿勢だけであって、アイディアとかヒントとか、そういったものを付け加えられるのも、“バンカラ”というか我々の早稲田らしさだと思っている」
この試合の早稲田大学には、そういったところがいろんな場面で出て来ていた。
「サッカーってそういうところが一番面白い。何かを突き抜けようとするというか、ゴールを破るというか、ゴールのラインを越えて行く。それは盤の上だけでは、なかなか整理できない。そういうところだと思う」
外池監督が好んで使う、“バンカラ早稲田”とは何か。
「バンカラというのは、学生が世の中に抗って行くというか、こうじゃないだろと思ったり、それを突き破ろうとする力。どうしても抑え込まれたり、特に今、大学サッカーはサッカー界のピラミッドの中に入ってしまっているが、それを越えて行くみたいなことを考えたり、そういったアクションを起こすこと」
外池監督が早稲田として持ち続けてもらいたい資質だった。
(文=玉 昌浩)
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