国際サッカー連盟(FIFA)は今年6月、新型コロナウイルス感染症が選手に及ぼす影響を考慮し、これまで「23人」だった登録メンバー数をカタール大会に限り「26人」に拡大することを決定した。
ベント監督は2018年の就任以降、“後方からのビルドアップ”という攻撃志向のチームカラーを掲げ、保守的な選手運営を見せてきた。
昨年からは一部選手をサプライズで招集することもあったが、実際の試合で重用することは多くなかった。
だからか、過去のW杯と比べて最終メンバー発表を控えて緊張感が落ちることは事実だ。それでも、主要なポジションでは最後まで熾烈な争いが予想される。
ベント監督はW杯の“模擬試験”の性格を持つ6月の国際Aマッチ4連戦と今月の2連戦で、20人(負傷による招集外、離脱選手含む)を重複して招集した。
ファン・ウィジョ、チョ・ギュソン、ソン・フンミン、ファン・ヒチャン、チョン・ウヨン、クォン・チャンフン、ナ・サンホ、ファン・インボム、チョン・ウヨン、ペク・スンホ、キム・ジンス、ホン・チョル、クォン・ギョンウォン、キム・ヨングォン、チョ・ユミン、キム・ムンファン、キム・テファン、キム・スンギュ、チョ・ヒョヌ、ソン・ボムグンだ。
大多数の選手が、ベント監督体制初期やW杯予選をともにした。
ベント監督が、自身の追求する枠のなかで主力要員を大きく変えない点を考慮すると、彼らは最終メンバーの安定圏に入っていると見ることができる。
唯一、その条件に当てはまらないのがセンターバックのチョ・ユミンだ。彼は6月にA代表初めて選出されたばかりの選手だが、同ポジションで同じく6月に招集されていたチョン・スンヒョンが9月にメンバーを外れたのを見ると、ベント監督からより高い評価を得たものと解釈できる。
上記の選手のほか、負傷で片方の招集を外れた主力もいる。9月の2連戦で圧巻の守備を披露したキム・ミンジェと、中盤で戦術の核を担うイ・ジェソン、そして6月に“ジョーカー”として存在感を放ったオム・ウォンサンだ。
キム・ミンジェとイ・ジェソンはともに負傷で6月に合流できず、オム・ウォンサンは同じ理由で9月の2連戦を欠場した。キム・ミンジェとイ・ジェソンは最終メンバー入りが濃厚だ。オム・ウォンサンは腕の負傷に苦しんでいるが、ベント監督が注目する後半のジョーカー要員として招集が期待されている。
彼ら3人を含めると、最終メンバーに残った枠はあと3つとなる。そこにはチームの不足部分を埋めるスペシャリストや、複数ポジションを消化できるマルチロールが合流する可能性が大きい。
有力候補はイ・ガンイン、ソン・ジュンホ、ユン・ジョンギュだ。
ラ・リーガで活躍を見せるイ・ガンインは、今回1年半ぶりに代表復帰するも9月の2連戦では1分もプレーできなかった。ただ、国際舞台での競争力を持つ選手であり、2列目の全ポジションをこなせることからも、26人に含まれると思われる。
ソン・ジュンホは2連戦を通じて、韓国代表の最大の弱点であるアンカーの位置から活力をもたらし、チョン・ウヨンの競争者として浮上した。ユン・ジョンギュは明確な主力が定まっていない右サイドバックで、新たなチャレンジャーとして目立った活躍を見せた。ユン・ジョンギュは右サイドだけでなく左サイドバック、センターバックを消化できるマルチロールとして有用だ。
“変数”となるのは負傷だ。韓国代表ではこれまで、W杯直前に一部選手が負傷して無念のメンバー変更を余儀なくされるジンクスが続いている。
今季Kリーグ年間最優秀若手選手の最有力であるヤン・ヒョンジュンや、過去にベント監督の招集を受けたソン・ミンギュやチョ・ヨンウク、チョン・スンヒョン、イ・ジェイク、キム・ドンジュンらは当該ポジションに負傷者が発生した場合、最優先で代替メンバーとして選ばれるはずだ。