まさに“恵みの雨”のような活躍だ。
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かつてセレッソ大阪、大分トリニータ、松本山雅FC、柏レイソルでプレーした元韓国代表MFキム・ボギョン(32、全北現代モータース)が、ここ最近でコンディションを取り戻し、チームに大きく貢献している。
去る8月7日のKリーグ1(1部)第27節蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)戦で前半途中出場から大活躍を見せると、続く10日の第28節水原(スウォン)FC戦では先発フル出場し、チームを1-0の勝利に貢献した。
キム・ボギョンは直近2試合で本来の姿を取り戻した。持ち味の繊細なタッチと柔らかいパスで、全北現代(チョンブク・ヒョンデ)の攻撃をけん引する存在となっている。
蔚山現代戦では両チームを通じて最多となるキーパス2回、敵陣でのパス14回を成功さ。途中出場にも関わらず中盤で最も目立った活躍を見せた。水原FC戦でも変わらず、キーパス2回に敵陣でのパス9回と、潤滑油の役割を果たしていた。
もっとも、今季前半は負傷やコンディションの乱調に苦しみ、パフォーマンスを引き上げられず、ポジション争いでも遅れを取った。水原FC戦での先発フル出場も、今年3月12日の第5節済州(チェジュ)ユナイテッド戦以来およそ5カ月ぶり。この間、キム・ボギョンは途中出場で14試合を消化した。
キム・ボギョンも全北現代ではベテランの立ち位置となり、パフォーマンスが下落するのではないかという懸念が出た。しかし、彼はシーズンの最も重要な時期に調子を取り戻し、確固たる攻撃の軸としてチームを支えている。
何より、飲酒運転摘発で今年7月に全北現代との契約を解除したMF邦本宜裕(24、ガーザ・ピアAC)の空白を完璧に埋めるという点で意味が大きい。
邦本は退団以前まで主力級の活躍を見せ、優れた個人技とパスセンスでチームをけん引していた。ただ、創造的で華やかなプレーに比べ、試合ごとに調子の起伏が激しく安定感に欠いた。好調なときは圧倒的なパフォーマンスを見せたが、そうでないときはパスミスが多く、確率の低い攻撃に終始することが多かった。
その反面、キム・ボギョンはMFリュ・ジェムン(28)やMFメン・ソンウン(24)の2人の守備的MFに後方から支えられ、安定的にゲームをリードしている。おかげで、全北現代は邦本がいた当時よりも、むしろ中盤でのパスプレーが目立つようになり、チーム全体の調子も取り戻した。
実際、全北現代は蔚山現代戦で12本対8本、水原FC戦で17本対6本と、シュート数で相手を上回った。パス数でも2試合それぞれ468回、400回と、蔚山現代(333回)と水原FC(286回)を大きく圧倒した。
キム・ボギョンが現在のペースを維持したり、さらに引き上げたりすることができれば、全北現代は中盤のコントロールで大きな力を得られる。
全北現代は1試合多い26試合消化時点で14勝7分5敗の勝ち点49とし、25試合を終えて15勝7分3敗の勝ち点52で首位の蔚山現代と3ポイント差につけている。
リーグ優勝争いの最もハードな時期に本来の姿を取り戻したベテランに、キム・サンシク監督も笑みを浮かべるしかない。
なお、全北現代は本日(8月12日)にKリーグ1第28節の仁川(インチョン)ユナイテッド戦を戦った後、18日には日本の浦和駒場スタジアムで開催されるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦で、同じ韓国勢の大邱(テグ)FCと対戦する。
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