Kリーグ、外国籍枠拡大めぐり意見真っ二つ「ニーズに合わせるべき」「韓国人選手の居場所が…」

2022年08月12日 サッカー #Kリーグ

維持か拡大か。Kリーグが外国籍選手制度の変化をめぐって頭を悩ませている。

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というのも、アジアサッカー連盟(AFC)が2022-2023シーズンのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)から外国籍選手枠を「5+1(国籍を問わない外国籍枠5人、アジアサッカー連盟加盟国所属選手1人)」に拡大することを決定したからだ。

現在、Kリーグの外国籍選手枠は「3+1(国籍を問わない外国籍枠3人、アジアサッカー連盟加盟国所属選手1人)」で運営されている。

このほか、東南アジア(ASEAN)出身選手を追加で一人保有することができるが、これを活用しているのはインドネシア代表DFアスナウィ・マンクアラム(22)を保有するKリーグ2(2部)の安山(アンサン)グリナースしかいない。

大きな枠組みとして、国籍を問わない外国籍選手3人と、アジア国籍の選手1人を活用できるのが、現在のKリーグのシステムだ。

蔚山現代のアジア枠でプレーする天野純

そんななか、AFCの決定によってアジア諸国の多くのリーグが外国籍選手枠の拡大に乗り出した。Kリーグも他国同様、外国籍選手枠を増やして直ちに競争力の強化を図るか、現在のシステムを維持し、慎重に拡大を進めるかを決めなければならない。

拡大する場合の方法はさまざまだ。AFCの方向性に合わせて「5+1」にすることもできるし、「4+1」というように部分的な拡大を選択することもできる。あるいは、アジア枠そのものを完全に廃止し、国籍を問わない外国籍選手の枠を「4」に増やすという方法も挙げられる。

ただ、外国籍選手枠をめぐっては韓国国内で賛否が大きく分かれる。財政に余裕のあるチームは、戦力強化のために拡大を望んでいるが、外国籍選手獲得によって財政的な負担が増すチームは、現行体制の維持を望んでいる。

「結果中心ではリーグがダメになる」

拡大を選択した場合、Kリーグが享受できる効果は複数ある。

まず、すぐにACLでの競争力を確保することができる。Kリーグ勢は直近10年間、2012年と2020年に蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)、2016年に全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースが優勝し、2013年にFCソウル、2021年に浦項(ポハン)スティーラースが準優勝を果たしている。

しかし、他国のチームが外国籍選手枠拡大で戦力強化したなか、Kリーグ勢が足踏みを続けることになれば、競争で遅れを取る恐れがある。

それだけでなく、安価や適正な水準の年俸で外国籍選手を獲得し、Kリーグ内や海外に売却することで、高額な移籍金を確保することができる。かえって財政的に役立つ余地がある。

8月11日、ソウル新門路(シンムンロ)の牙山(アサン)政策研究院大講堂で行われたKリーグ外国籍選手制度改正のための公聴会で、全北現代のシン・ジョンミン責任マネージャーは、「リーグの質と発展の可能性を引き上げることを目指すべきだ。ファンのニーズに合わせて競技力を向上させるためにも、拡大に同意する。他国リーグと比較されることも念頭に置かなければならない。(近年のACLでは)東南アジア勢も良い結果を出している」と、拡大に同意する意見を明らかにした。

牙山政策研究院大講堂で行われた公聴会

外国籍選手枠拡大による“副作用”もある。何より、費用的な側面を考慮せざるを得ない。Kリーグは財政健全化を重用価値として掲げており、支出を最大限減らす方向で進めている。また、そもそも韓国人選手、特に22歳以下の若手選手の出場機会が制限される可能性も懸念されている。

FCソウルのユ・ソンハンGM(ゼネラルマネージャー)は、「プロチームの本質はファンが優先であるということだ。結果中心で進んでしまえばリーグはダメになる。規模拡大や国的な競争力を取り上げる前に、内実を固めることに集中しなければならない。マーケティングや地域社会などへの貢献に集中することが優先だ」と述べた。

また、現役時代に横浜FCでもプレーし、現在は解説者を務める元韓国代表のオ・ボムソクも、「外国籍選手枠が拡大すれば、韓国人選手の居場所がなくなる。GKを除けば韓国人選手が3人しかプレーできないなんてこともあり得る」とし、拡大反対の意見を伝えていた。

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