「最後までファンの応援に応え続ける」
かつてオリックス・バファローズ、福岡ソフトバンクホークスに在籍したイ・デホ(40、ロッテ・ジャイアンツ)が、「本当に引退シーズンなのか」と疑ってしまうほど、トップクラスのパフォーマンスを披露している。
実際、イ・デホは7月6日基準で打率0.350、103安打と、両部門で韓国プロ野球KBOリーグ全体トップに立つ。
イ・デホに次ぐ2位には、打率0.342、102安打で、元中日ドラゴンズのイ・ジョンボムの息子イ・ジョンフ(23、キウム・ヒーローズ)がつける。両者間には実に、17歳もの年齢差がある。
そんなイ・デホは、7月6日に行われたSSGランダース戦で大記録を達成した。試合は4本塁打含む計20安打を記録したロッテが12-5で勝利したが、何よりイ・デホの活躍が目立った。
この日、「3番・指名打者」で出場したイ・デホは、2点本塁打含む5打数4安打3打点2得点を記録した。第1打席こそ三振に倒れたものの、その後の打席でバットが火を噴いた。
まず、イ・デホはロッテの1-0リードで迎えた3回表、無死一塁で中前安打を放ち、14年連続100安打を達成した。韓国プロ野球ではヤン・ジュンヒョクとパク・ハンイ(16年連続)、さらには元読売ジャイアンツのイ・スンヨプ(15年連続)に次ぐ史上4人目の記録だ。
また、6回表の一死一塁で打席に立つと、相手投手が投じた123キロのカーブを芯でとらえ、左フェンスを越える2点本塁打を放った。これで、今季10号目となる本塁打を記録するとともに、史上8人目となる14年連続10本塁打を達成した。
韓国プロ野球において、14年連続100安打と10本塁打を達成するのは、ヤン・ジュンヒョクに次ぐ史上2人目の大記録となる。
ただ、イ・デホは以前から「タイトルや記録は気にしない」と常々語ってきた。今季現在までの指標なら、引退シーズンでも十分に首位打者を狙えるが、そんな話題が出ることすら好ましくないという反応だ。
大記録を達成した前日の5日、仁川(インチョン)で取材に応じたときも、イ・デホは「シーズンの試合がたくさん残っている。1打席、1打席だけに集中し、最後のシーズンで勝利をつかみ取るために努力をしている。頑張ってファンに本当に良い姿を見せたい」と力を込めていた。
そして、6日の試合後に会ったときも、イ・デホは謙遜していた。それとともに、シーズンの最後までファンの応援に答え続けることを重ねて約束した。
「記録を特別意識したわけではないが、今日の試合で2つの記録が同時に達成できて嬉しい。ただ、まだシーズンが終わったわけではない。最後までファンの応援に応えられるように頑張りたい」と、プロ22年目の大ベテランは力強い意気込みを伝えていた。
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