“決定力不足”が最大の問題だ。
全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースは現在、ベトナム・ホーチミンで集中開催されているアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)グループステージで思うように得点力が回復せず、苦戦を強いられている。
これまでグループHは4試合が終了したが、全北現代の総得点はわずかに「3」だ。第1節ではシドニーFCとスコアレスドローに終わり、第2節の横浜F・マリノス戦、第3~4節のホアンアイン・ザライFC戦は各1ゴールずつを決めた。これが、失点数をわずかに「1」としているにもかかわらず、2勝2分で2位につけている背景だ。
全体的にパフォーマンスが優れないなか、それでも守備はマシな方だ。ほとんどの試合で相手に主導権を渡す展開となるが、決定的なシュートチャンスはあまり与えない。
4試合で許した枠内シュートは計11本で、1試合平均では3回を下回る。特に、正守護神のGKソン・ボムグン(24)が新型コロナウイルス感染で欠場した第1~3戦では、控えGKイ・ボムス(31)の大活躍もあり、失点の危機を上手く乗り越えた。
最も深刻な問題は攻撃面だ。4試合で記録した枠内シュート数の合計がわずか12本に過ぎず、1試合当たり3本しか打てていない。
そうなれば当然、得点チャンスも少なくならざるを得ない。これまでペナルティキック、コーナーキックを通じてゴールを決めているものの、オンプレーの状況では円滑な攻撃が行われていない。
そもそも、全北現代は今季Kリーグでも得点が少ない方であり、9試合で10ゴールにとどまっている。そのうち、4-0で大勝した第9節の城南(ソンナム)FC戦を除けば、8試合で6ゴールと深刻な得点力不足に陥っている。
つまり、ACLでの前線の不振は、Kリーグでのパフォーマンスの延長線上にあるものと考えて良い。
昨季チーム得点王のFWグスタヴォ(28)、FWスタニスラフ・イリュチェンコ(31)はもとより、MF邦本宜裕(24)やMFキム・ボギョン(32)など2列目の鋭さも消えている。唯一、MFムン・ソンミン(29)が孤軍奮闘して全北現代の攻撃をリードしているが、周囲の選手との連係も容易に行われない。
特に、前節のホアンアイン・ザライ戦は基本的なミスがあまりにも多く、ボールの所有権を簡単に相手に譲ってしまった。攻撃への道筋がまったく見えず、最終的に引き分けで終わってしまった。
来る28日に第5節シドニーFC戦、5月1日に最終節横浜FM戦を控える全北現代としては、残り2試合で前線の得点力が回復してこそ、決勝トーナメント進出への道筋も見えてくるはずだ。
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