「韓国サッカー復活のきっかけに」ロシアW杯ドイツ戦から丸1年、シン・テヨン監督インタビュー

まずは韓国代表選手に刻み込まれた“自信”だ。

彼は「ボールは丸いということを確認した。客観的に実力が足り場合、どうすれば勝てるかについて気付くきっかけになった」とし、「いくら監督が戦術を編み出したといっても、選手たちができると考えるか、疑うかでは天と地の差がある。以前までの私たちは気持ちで先に負けていたが、今は誰にもが一回やってみようという自信が生まれた。韓国サッカーが大きな力を持つようになった」と見た。

2つ目は、ドイツ戦が生んだ最高のスター、ソン・フンミンだ。その試合をきっかけに所属チームでもシーズンを通して“キャリアハイ”を築き、世界のトップ選手の一員となった。過密なスケジュールでも、韓国代表のキャプテンまで消化している。

ソン・フンミンの話をしているシン監督の声には、彼に対する愛情が滲み出ていた。

アジアカップのためにUAEに来た直後、中国戦でフルタイムに近い時間を消化したソン・フンミンを思い出して「(監督が)選手をあまりに苦労させるという話も出たが、私は彼をよく知っている。フンミンはそんな状況を楽しむ奴だ。体力の低下、時差ボケなど多くの困難があっても、大きな怪我もなくある程度のプレーを見せた。私もびっくりした」と話した。

シン監督は「トレーニングを終えた後も、自分だけのシュート練習を欠かさなかった。誰かがやらせなくても、必ずそれをやって練習を終えていた。フンミンを温かく見守る理由だ。“ソン・フンミンゾーン”も結局はそんな努力から生まれた。大成しないわけがないと感じた」と耳打ちした。

ロシアW杯ドイツ戦に2-0で勝利した後、ソン・フンミンを抱きしめるシン・テヨン監督

シン・テヨンの提言「Kリーグよ、敗北を恐れてはいけない」

インタビューの最後、シン監督は自分がネット上で読んだコメントを口にした。「ワールドカップなど、サッカーに関心を持ってもらえることに感謝しろと」と自嘲混じりに笑った。

彼は「Kリーグが盛り上がってこそ、韓国サッカーも勢いづく」と声を高めた。自国リーグを土台に、選手たちの需要と供給が円滑であれば代表チームも崩れないということだ。 “カザンの奇跡”に残った最後の課題だ。

特別に新しい主張とはいえない。城南FCの指揮をとった10年前から口にしてきた話だ。ユース育成政策のアップグレード、スター選手中心のマーケティングからの脱却など、悩んだ時間と同じくらい提言の内容も具体的だった。

同僚である指導者たちには「負けを恐れてはいけない」と述べた。「少なくとも負けない試合ではなく、勝つための試合をしなければならない。そうすればファンは“敗北は残念だが頑張った”と感じて、次を楽しみにしてくれる。逆に緩い試合をして1-0で勝利したとしよう。ファンは“こんな試合を90分間も観るために来たのか”と腹を立てる可能性がある」とした。そして「発想の転換が必要だ。場所にこだわらず、ファンを楽しませなければならない」と力を込めた。

ロシアW杯を終えて帰国インタビューを行うシン・テヨン監督

そうであるならば、シン監督の哲学をKリーグで確認できるだろうか。彼は「誰も知らない」と答えた。「私に適当な待遇をしてくれて、今までに蓄積した経験を信じてくれるのであれば、どこでもいい。Kリーグから海外進出まで、すべての可能性を開いている」と、次の行き先を期待した。

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