アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で同組を戦う川崎フロンターレと蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ、韓国)が、ともにACL前ラストゲームを勝利で飾った。
4月9日、等々力陸上競技場で明治安田生命J1リーグ第8節が行われ、ホームの川崎が柏レイソルに1-0で勝利した。
試合は前半開始から拮抗した展開が続くも、ロスタイム、左サイドを突破したマルシーニョのパスにレアンドロ・ダミアンがダイレクトで合わせ、川崎が先制に成功。
後半は1点リードの川崎が主導権を握り、1-0で試合終了。直近2試合未勝利の川崎は3試合ぶり白星で暫定ながら再び首位に返り咲いた。
今回の柏戦を最後に、来る15日からACLグループステージが集中開催されるマレーシア・ジョホールバルへと発つ川崎。中2日でのハードな6連戦へ向け、鬼木達監督は「自分の中では(ACLは)まったく別の大会だと思っているので、頭を切り替えて戦うことが大事。今日の1勝に満足することなく、もう一度色々なところを引き締めて戦いたい」と伝えた。
川崎は蔚山現代、広州FC(中国)、ジョホール・ダルル・タクジムと同じグループIに入ったが、同組で最大のライバルとなるのは蔚山現代だろう。
川崎と蔚山現代がACLで相まみえるのは、2014年大会、2018年大会、2019年大会、2021年大会に続き今回で5度目。グループステージで同じ組に入るのは今回で4度目だ。
通算対戦成績では川崎が1勝3分3敗で負け越し。前回大会は決勝トーナメント1回戦で激突し、120分間の激戦の末にPK戦で蔚山現代が勝ち上がりを見せた。
そんな蔚山現代は、川崎対柏が行われた同日、ホームの蔚山文殊サッカー競技場で同じACL組の大邱(テグ)FCと対戦。
試合は前半にPKで大邱FCの先制を許すも、後半9分、元日本代表MF天野純が直接フリーキックを決めて同点。同32分にジョージア代表MFヴァレリ・カザイシュヴィリのゴールで逆転し、最後はロスタイムに韓国代表FWオム・ウォンサンがダメ押しの3点目を決め、3-1の逆転勝利に成功した。
これで蔚山現代は9試合を終えて7勝2分とし、開幕無敗で首位をキープした。
横浜F・マリノスからレンタル中の天野は、前節の済州(チェジュ)ユナイテッド戦に続き、2試合連続でフリーキックから得点を決めた。直近3試合連続得点中のオム・ウォンサンとともにチーム得点王(4ゴール)と圧巻の活躍を見せているだけに、ACLでも川崎の脅威になることは間違いない。
川崎と蔚山現代は15日の第1節から早速激突する。ともに決勝トーナメント進出へ重要な初戦となるだけに、どんな戦いぶりを見せてくれるかに注目したい。
(文=姜 亨起)
■【動画】蔚山現代の元浦和レオナルド、絶妙トラップからの右足ボレー
前へ
次へ