「飛行機に乗ってヨーロッパに通いながら試合するのか…と思った」
ソン・フンミンが6月2日(韓国時間)、UEFAチャンピオンズリーグ決勝出場を控えた今、韓国でもCLが大きく注目されている。
“スターたちの戦争”と呼ばれるこの大会で、しかも決勝戦に韓国人選手がプレーするということが強烈だ。パク・チソン(2009年、2011年)以降、二度とないだろうと思っていた歴史的瞬間をソン・フンミンが目前に控えている。アジア初の決勝戦ゴールも期待される。
今でこそ韓国のサッカーファンたちも明け方まで眠らず、チャンピオンズリーグに夢中だが、20年前までは大会の性格や比重がさほど大きく知られていなかった。
チャンピオンズリーグでプレーする韓国人選手も当然いなかった。そんな舞台に韓国人選手として初めて足を踏み入れた開拓者が、ソル・ギヒョン(元・成均館大学監督)だ。
日韓W杯を2年後に控えた2000年、韓国サッカー協会の有望選手海外進出プロジェクトによって、ベルギー1部のアントワープに入団したソル・ギヒョンは、1年目で25試合10ゴールを決めて翌年からベルギーの名門アンデルレヒトへ移籍した。
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2001年8月8日、スウェーデン遠征で韓国人として初めてチャンピオンズリーグ予選に出場して得点を記録。同年9月11日、ロシアのロコモティフ・モスクワ戦でチャンピオンズリーグ本大会の舞台を踏んだ。いずれも韓国人選手第1号だ。
そんなソル・ギヒョンに、チャンピオンズリーグの醍醐味と来るトッテナム対リバプールの決勝戦展望、さらにはソン・フンミンに寄せる期待などを聞いた。
―チャンピオンズリーグ予選と本大会の韓国人1号記録をいずれも持っている。
「よく覚えていない。とても昔のことので……(笑)。僕は欧州進出1年後にアンデルレヒトに入団した。まだ欧州サッカーの雰囲気が、よくわかっていないときだった。今はインターネットも発達し、韓国人選手らはプレーするが、あの時は情報や知識がなかった。チャンピオンズリーグが何かということに関しても無知だった。北欧のどこか(スウェーデン)に行って予選を戦い、ゴールを入れたことだけ覚えている」
―本大会デビュー日が2001年9月11日だ。9.11のテロが起きた日でもあるが?