KリーグMVPというタイトルを手にヨーロッパへと渡ったイ・ジェソンが、1年間のドイツ生活を過ごし、5月22日に帰国した。
現地空港の閉鎖で一日遅れて帰国した彼は、若干疲れた様子を見せながらも、「夢見た欧州の舞台でプレーすることができて幸せだったし、良かった」と笑った。
ブンデスリーガ2部リーグのシュタイン・キールで、入団と同時に中心選手となったイ・ジェソンは、5ゴール・8アシストを記録して合格点を受けた。シュタイン・キールの底力が足りず昇格を果たせなかったこと、また自らのパフォーマンスに満足していない点は、数カ月後に始まるドイツ2年目でイ・ジェソン自身が乗り越えるべき課題とした。
昨年イ・ジェソンの可能性を知り、ピンポイントでスカウトしたティム・ウォルター監督は最近、VfBシュトゥットガルトに所属を移した。イ・ジェソンは「内心、連れていってくれればという思いもあるが、僕に足りないところも多い」とし、夏の移籍市場への期待も隠さなかった。
本紙『スポーツソウル』とソウルで会ったイ・ジェソンは、1年間のヨーロッパ生活をよどみなく話した。
―ドイツで過ごした初のシーズンを振り返ると?
あれほど夢見た欧州の舞台に進出することができて幸せだったし、良かった。試合をすればするほど難しい部分も少なくなかったが、大きな怪我もなくシーズンを終えることができて幸いだ。
最初のシーズンが終わった。物足りなさも多いが、欧州で自分がプレーできること自体は、あまりにも嬉しかった。もちろん課題も出てきたので、今後やるべきことは多い。
―過去2年半、休みなく走った。ワールドカップ、アジアカップも消化したが疲れていないか。
疲れていないといったら、嘘だ。とても大変だったが、選手として言い訳にしてはならないと考えている。ピッチに立ったときは、最大限の能力を発揮してみせなければならない。期待に及ばず反省している。今回の休息期に、しっかりと準備する。
―ハンブルクとの開幕戦でアシスト記録し、活躍した。次の試合では、ゴールも決めた。
一生忘れられない試合になるだろう。5万8000人余りが集まったスタジアムでプレーすることができたし、良いプレーもできた。ファンやドイツメディアに、第一印象が大きく残った。僕自身も、シーズンを過ごすほど自信になっていった。適応するのに、それほど苦労はなかった。
―ティム・ウォルター監督から思った以上に積極的な役割を与えられた。
そうだ。監督は僕にゴールを入れなければならないと強い要求をした。僕も初めてで、難しい点はあった。でも監督の戦術を選手として消化してみると、勉強するところがたくさんあった。新しいサッカーを経験しながら、僕自身も成長できた。
―ドイツで生活すること自体も課題だったはずだ。特にキールは、ほぼデンマークだ。
キールという都市がドイツにあることも知らなかった。天気の気まぐれがひどい。太陽が照っていたと思ったら、すぐに雨が降る。日が昇っている時間が少なくて、別にビタミンDを摂取した。
やっぱり全北現代のクラブハウスがあまりにいい。そんなことを考えると、まだドイツに適応している段階だ。自分のノウハウを見つけてこそ、楽になりそうだ。
―ドイツは1~2部を問わず、サッカーの熱気が高いが、どう感じたか。
それがヨーロッパに行きたいと思った理由のひとつだ。あまりにもファン文化が良い。すべてのスタジアムがファンで埋め尽くされた状態で、試合をすることができるという点が幸せだった。本当に毎試合、それを感じることができた。
Kリーグにも、そのような熱気があれば、選手たちが幸せを感じながらプレーできるだろう。キールまで来て韓国国旗を振る韓国ファンを見ると、胸が高鳴った。
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―1年間プレーして、学んだことは何か。
フィジカルが重要であることを、今一度感じた。いくら技術があってもフィジカルが土台になければ、技術を発揮できないことがわかった。もっと努力する理由となった。
また技術ではなく、戦術でチームが動くことを知った。特にウォルター監督のサッカーは、僕は20年以上サッカーをしてきたが、こんな戦術は初めて見るという気がするほどだったので衝撃的だった。
―激しい昇格争いもあったが、1部昇格は叶わなかった。
プロデビューして、全北現代にずっといたので、そのような心配をしたことがなかった(笑)。今回、プレッシャーを感じるようになった。
3月のAマッチが終わって所属チームに戻ると、ぴったり8試合が残っていた。自分たちを含めて5チームが可能性を残していたので、その時からプレッシャーが激しかった。自分たちの試合ができず、難しくなった。
振り返ると、惜しい。あと何試合か勝っていたらという、悔しさが残る。
―ウォルター監督が1部のシュトゥットガルトに行ったが、期待はないのか。
まずはお祝いするべきことのようだ。監督が認められたということだ。僕から見ても、監督のサッカーは新鮮だ。言葉で表現することは難しいが、僕たちのチームはディフェンダーの活動力を増やして、相手のFWを誘引してペースを握る方式だ。ドイツでもそんなサッカーはなかった。
それがシュトゥットガルトでも可能かどうか、見守りたい。内心、監督が僕を連れていってくれればと思うところもあるが、今のところ何も決まったことはない。待たなければならない状況だ。ヨーロッパに行きたいという僕の夢を実現させてくれた方なので、さらに応援する。
―5ゴール、8アシストには満足しているか。
シーズン後半にチャンスが多くあったのが生かせず、残念なところもあるが、最初のシーズンから攻撃ポイントを上げられるとは思っていなかった。多く上げることができて、意外だと思った。
でも僕はポイントよりも、競技力がさらに重要だと思う。それが少し残念だった。
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