1月8日に国立競技場にて、高川学園と青森山田の「第100回全国高校サッカー選手権大会」準決勝が行われた。
試合は前半3分のセットプレーで、藤森颯太がゴールに向かって上げたボールを名須川真光がヘディングで決め、青森山田が先制。前半26分にも藤森颯太の左コーナーキックを、丸山大和が頭で合わせて追加点を挙げ、2-0で青森山田がリードし、前半を折り返す。
後半12分には、右サイドで相手を引き付けた藤森颯太のプレーから、松木玖生がドリブルで中に運び相手をかわして角度のないところからゴールを奪う。後半23分には藤森颯太のセンタリングから、小湊絆が得点。
後半40分、松木玖生の左コーナーキックから、丸山大和が再びヘディングで決める。後半44分には小湊絆のハイプレスが、田中栄勢のゴールを演出。試合は、6-0で青森山田が勝利を収め、決勝に駒を進めた。
試合後、青森山田・黒田剛監督は、「過去の3試合を振り返ったなかで、もっと青森山田らしいサッカーをしようということが、今日の試合のテーマだった」とし、「相手をリスペクトすることももちろんだが、あまりにも研究したものが頭に入りすぎて、本来の自分たちのサッカーを見失っていたところが、この3試合の大きな反省点でもあった」とコメント。
「高川学園が色々なトリックプレーをやってくることは想定していたが、出来るだけリスタートを与えず、コーナーを与えず、シュートを打たせず、本来我々がインターハイやプレミアリーグで志向してきたハイプレスのサッカーをしっかりやって行こうということから入ったことで、選手たちもすごく吹っ切れて、いい入りができたのではないかと思っている」と試合を振り返った。
また、高川学園のセットプレーへの対策について問われ、「一番は与えないこと。今日コーナーは1本もなかった。シュートを打たせれば、体に当たってコーナーになったりもするので、シュートを打たせないこと。これは我々がプレミアリーグなど、年間を通じて志向していることなので、そこに関しては決定打を作られることなく、やれたのが良かった」と説明した。
さらに、「リスタートも特に効果的なリスタートというのがあるわけではない。きちっと基本に準じて、惑わされることなく、マークにつくということが、トレーニングのなかでもしっかりとできていたので、そんなに恐れることなく、やってきたことをしっかりやろうという形で行った」と明かした。
試合の入りが良かった理由については、「ハードワーク、相手に対するハイプレッシャー、リスタートからでもボールをつなぎながらでも、バイタルを攻略して行ける。これが青森山田の強さ。何でもできるサッカーを志向して、ここまで1年間やってきたので、それをまずはきちっとやろうということで入ったことで、肩の荷が下りてのびのびプレーできたのではないかと思う」と述べた。
(文=玉昌浩)
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