ギリシャの女子バレーボールチームPAOKテッサロニキが、学生時代のいじめ発覚で国内での活動ができなくなったイ・ジェヨン(24)とイ・ダヨン(24)の双子姉妹を、韓国時代の10%の年俸で獲得することになりそうだ。
ギリシャメディア『FOS』は9月18日(日本時間)、イ・ジェヨンとイ・ダヨンのビザ問題が解決し、来る21日や23日までに合流する見通しだと報じた。
イ・ジェヨンとイ・ダヨンは今年2月、学生時代にいじめ加害者だった疑惑が浮上した。当時、韓国のネット上で被害者と主張する人物から証言が殺到したのだ。
その後、2人は事実確認の手続きなどを経て、当時所属していた興国生命ピンクスパイダーズから無期限出場停止処分を下され、韓国バレーボール協会から代表資格をはく奪された。
2021-2022シーズン開幕前には興国生命が選手登録を放棄したことにより、2人は放出されフリーエージェント(FA)となった。
事実上、国内で活躍する道を閉ざされたイ・ジェヨンとイ・ダヨンは、トルコのエージェンシーCAANの助けを借りて海外移籍を模索し、PAOKとの契約を実現間近としていた。
ただ、韓国バレーボール協会は2人の海外移籍を認めない方針を打ち出した。
通常、国内の選手が海外に移籍するには協会が発給する国際移籍同意書(ITC)が必要となるが、協会側は「韓国オリンピック委員会、協会、傘下連盟などバレーボール関連機関から懲戒処分を受け、その執行期間が満了していない者、(性的)暴力、八百長、兵役逃れ、そのほかの不祥事により社会的物議を醸した者については、海外進出の資格を制限する」という規定を根拠に、ITCの発給を拒否した。
しかし、CAANはバレーボール紛争専門弁護士を通じてイ・ジェヨンとイ・ダヨンに関する有権解釈を国際バレーボール連盟(FIVB)に要請し、FIVBは「双子姉妹の処罰は韓国に限られたもの」という有権解釈を下した。これにより、イ・ジェヨンとイ・ダヨンが近くPAOKに合流するという現地報道が出た。
韓国バレーボール協会が方針を打ち立てたにもかかわらず、イ・ジェヨンとイ・ダヨンは懲戒の効力が及ばない海外で選手生活を続けられるようになった。
双子姉妹の移籍が確定すれば、PAOKは代表クラスの選手を通常の年俸の10%程度で獲得できるものとみられる。ギリシャ現地によると、双子姉妹の年俸はそれぞれ4万ユーロ(日本円=約514万円)程度だという。2人合わせて約1億ウォン(約1000万円)だ。
昨年に興国生命とFA契約を結んだ双子姉妹。イ・ジェヨンは総額6億ウォン(年俸4億ウォン、インセンティブ2億ウォン)、イ・ダヨンは総額4億ウォン(年俸3億ウォン、インセンティブ1億ウォン)を受け取った。2人合わせて年間約10億ウォン(約1億円)だ。しかし、学生時代のいじめ発覚によって、これらの契約はすべて無効となった。
双子姉妹は興国生命時代の10%程度の金額を受け取り、辛うじて選手生活を続けられるようになった。また、PAOKもトップレベルの選手を格安で獲得できる利得を得られるようになった。
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