「イラクの“時間稼ぎ”発言?今も僕の考えは同じだ。サッカーはサッカーをした方が面白い」
【写真】「縄で縛られたソン・フンミン」イラクファンのSNSが話題
韓国代表キャプテンを務めるFWソン・フンミン(29、トッテナム)が、対戦相手の時間稼ぎを批判したことについて改めて言及した。
ソン・フンミンは9月5日、韓国サッカー協会(KFA)を通じ、オンラインで行われた記者会見に出席。
0-0の引き分けに終わった去る2日の2022年カタールW杯アジア最終予選イラク代表戦を振り返り、「代表でもトッテナムでもたくさん密集守備を経験してきたが、約束したプレーで解決していくことよりも細かさが重要だと感じた。基本的にパスの強度やボールの動く速度など、すべてが改善されなければならない」と改善点を語った。
イラク代表戦当時、試合終盤で相手が“時間稼ぎ”と見られるような行動をしたことを受け、「これではサッカーは発展しない」と批判したソン・フンミン。
イラク代表率いるディック・アドフォカート監督は「根拠のない発言だ。その主張に同意することはできない」と反論していたが、今回の会見でこのことについて問われると、「僕の考えに変わりはない。一人のサッカー選手、一人のサッカーファンとして、サッカーはサッカーをすることが楽しいのであって、時間を稼ぐことが楽しいのではない」と、自身の考えに変わりはないことを明らかにした。
なお、来る9月7日に行われる韓国代表対レバノン代表は、水原(スウォン)ワールドカップ競技場で午後8時にキックオフする。
以下、ソン・フンミンとの一問一答。
◇
―初戦のイラク代表戦もそうだが、W杯最終予選では相手チームのほとんどが密集した守備を展開するものと見られる。チームメイトとはどのようにコミュニケーションして備えているのか。
代表でもトッテナムでもたくさん密集守備を経験してきたが、約束したプレーで解決していくことよりも細かさが重要だと感じた。密集守備の克服はいつも課題だ。基本的にパスの強度やボールの動く速度など、すべてが改善されなければならない。スペースを認知することも重要だ。僕もたくさん話しているし、選手たちとも綿密に準備している。
―イラク代表戦2日前に帰国してフル出場した。大変だったはずだ。現在のコンディションはどうか。
チームメイトに申し訳ないし、ファンにも謝りたい。良いコンディションを維持できないのは言い訳に過ぎない。レバノン代表戦では良いコンディションを見せることが重要だと思う。疲れたら寝て、よく食べて、トレーニングするときに調節する方だ。
―代表ではサポートの役割に徹しているが、前線でのシュートが足りないのではないかと言う声もある。
僕も解決したいし、責任感を感じている。しかし、シュートを打つ機会があまりなかったようだ。打とうとしないわけではない。外から見るのと実際にプレーするのとでは違う。
僕は自分が準備できていなくてシュートできなかったり、相手の守備が多くて意味のないシュートが出るのではないかと思ったりしたとき、良い位置にいる仲間を探す。もちろん補完しなければならない。とにかく我々が勝つためにはゴールを入れるべきではないか。僕もシュートが好きで自信がある。思い通りに行かないこともあるが、シュートにはもう少し欲を出してみたい。
―イラク代表戦を終えた後、監督や選手たちとどのような部分に重きを置いてレバノン代表戦を準備するか。
ひとまず選手とたくさん話をしている。監督とは戦術的に大きく話したことはない。サッカーは短い時間、小さなスペースで多くのことが起きる。先ほど述べたように細かいプレーが重要だ。完璧にゴールを決めるのではなく、どうすればスペースを多く作ることができるのか、相手の守備を引き下げられるかを話し合っている。
―韓国と同じグループAではイランだけが勝利した。グループBでは日本がオマーンに負けた。
ほかのチームに関心がない。「日本が負けた」「イランが勝った」などを気にする暇はない。自分たちのチームにだけ気を使っている。
―イラク代表戦後、相手の時間稼ぎを批判する発言が話題になった。相手のアドフォカート監督は「根拠のない発言」と言っていたが。
僕の考えに変わりはない。当時、試合を終えてドーピングテストを受けに行ったが、イラクの選手も一緒だった。僕があのような話(時間稼ぎ)をしたことにも(その選手も自分たちのサッカーについて)理解できない部分を話していた。
正直言って、選手の立場としてはイラクが理解できる。韓国に来て勝つのは難しいと思い、引き分けてでも勝ち点1を得ようとするのは尊重できる。ただ、試合開始とともにゴールキックから時間を稼ぐことを制止しないのは大きな問題であり、そのようなことを言ったのだ。
一人のサッカー選手、一人のサッカーファンとして、サッカーはサッカーをすることが楽しいのであって、時間を稼ぐことが楽しいのではない。試合をリードした状況で終盤の5分や10分に時間を稼ぐことは戦術だと考えられるが…。イラクの監督は韓国でも指導された方だ。僕に「根拠のない発言」と言っていたが、その話を聞いて「僕と違う試合を観ていたのだろうか」と思うほどだった。
―プレミアリーグには観客が戻ってきている。国際Aマッチはまだ無観客で行われているが。
果たして、サッカーというスポーツはファンがいなければ存在するのかといつも考えている。がらんとした観客席の前で試合をすると元気が出ない。ファンと共有したい気分があるからではないか。勝利したときはともに喜び、良いプレーが出たときはお互いに感嘆しながら歓呼する。こんなことがとても懐かしいようだ。ソウルや水原のような大きなスタジアムで試合をするのに、観客の声を聞けないことが残念でならない。
―いよいよレバノン代表と対戦する。意気込みを聞かせてほしい。
最初の試合は我々も結果に対して残念に思った。当然勝利できれば良かったが、ときには望まない方向で試合が行われることもある。そのような部分で僕たちが学ぶべきことがあると思う。あと9試合が残されているので、ファンの応援が必要だ。選手たちは練習場とピッチで全力で勝利する試合ができるように努力する。
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