「どうした、FCソウル…」
【写真】「国際的な恥」と落胆…FCソウルの“ラブドール騒動”
韓国Kリーグ1（1部）で最下位に沈むFCソウルに向けて、多くのサッカー関係者が憂慮の声を送っている。低調な成績のみならず、選手団内外でさまざまな噂まで出回っているからだ。
どんな種目であれ、豪華なメンバーをそろえたチームが期待に及ばない成績を残せば大小のデマは出るものだ。そうするうちに巻き返しに成功すれば、根拠のないデマも知らぬ間に消える。
しかし、8月の1カ月間でわずか1勝（1分4敗）にとどまり、12チーム中最下位となったFCソウルは、どうすれば暗いトンネルを抜け出せるかもわからない状況に陥っている。
今夏の移籍市場では欧州組の元韓国代表FWチ・ドンウォン（30）をはじめ、ブラジル人FWガブリエル・バルボーザ・アベリーノ（22）、オーストラリア人MFコナー・チャップマン（26）など、攻守で即戦力級の選手を補強した。それでも勝利が遠いどころか、最近では選手たちの表情から自信喪失も見受けられている。
Kリーグの事情に詳しいA監督は、「スポーツやチームというものは、一度間違ってこじれてしまうと限りなくこじれてしまう。単に特定選手への非難や監督交代を言及するのではなく、クラブ全体で解決しなければならない」と述べた。
B監督も、「FCソウルは別の監督が率いた昨シーズンも下位で苦しんだではないか。正直言って、最近のFCソウルのサッカーを見ていると、監督の戦術や戦略が無意味に見える。ピッチ上では選手の凝集力や切実さが見えない」と強調した。
現役時代にジェフユナイテッド市原（現ジェフユナイテッド市原・千葉）や京都パープルサンガ（現京都サンガF.C.）、ジュビロ磐田に在籍し、長年監督を務めたFCソウルでリーグ優勝やFAカップ優勝、アジア・チャンピオンズリーグ（AFC）準優勝も経験したチェ・ヨンス氏も、『UCNスポーツ』のユーチューブチャンネルでインタビューに応じた際、「あのようなことをしながら、どうしてFCソウルのエンブレムをつけてプレーできるのか？」と、異例に強く批判した。
多くのサッカー関係者は、Kリーグの“リーディングクラブ”を自任した名門FCソウルの凋落を深刻に受け止めている。
2010年代前半まで常に優勝争いに加わっていたFCソウルは、親企業の投資が減ったことでしばらく苦戦が続いた。それでも、豪華な選手補強で再起に乗り出していた。
特に今シーズンは、キャプテンのMFキ・ソンヨン（32）をはじめFWパク・チュヨン（36）、MFコ・ヨハン（33）などチームの精神的支柱の役割を果たすベテランが健在であり、そこにMFナ・サンホ（25）やMFアレキサンダー・パロチェビッチ（28）といった国内屈指の選手が加わった。
にもかかわらず成績が急落しているのだから、選手もフロントも困惑せざるを得ないだろう。とあるサッカー関係者は「ただでさえ下方平準化の声が出ているのに、優勝を狙えるレベルのメンバーをそろえるFCソウルがこのような姿を見せるのは、リーグ全体にとってネガティブなことだ」と指摘した。
地方クラブの事務局長を務めるC氏は、「FCソウルは“広報通”と呼ばれるヨ・ウンジュ新任代表理事の存在もあるが、今年は斬新でひらめきのあるマーケティングを展開したのは事実だ。しかし、プロはあくまでチームの成績が良くてこそマーケティングも輝くものだ。フロントの努力が無駄になるようで残念な気持ちもある」と伝えた。
FCソウルは来る9月5日、ホームのソウルワールドカップ競技場でKリーグ1第16節延期分の全北現代（チョンブク・ヒョンデ）モータース戦を戦う。
ところが、この試合を控えてまたも悲報が舞い込んできた。
所属選手のMFチャ・オヨン（23）が飲酒状態で車を駐車したことで、Kリーグを管轄する韓国プロサッカー連盟の賞罰委員会から8試合出場停止と制裁金400万ウォン（日本円＝約40万円）の懲戒を受けたのだ。クラブとしてはさらに脱力するしかないだろう。
このニュースを聞いたD監督は、「いかに選手団全体の気が緩んでいるかがよくわかる」とし、「全員で『ゴールを殴る彼女たち』を視聴させるべきだ」と語った。
『ゴールを殴る彼女たち』とは、韓国SBSで放送されているサッカーバラエティ番組のこと。タレントや女優、モデルなど各界で活躍する女性セレブたちが、サッカーが下手でも誠意にあふれたチーム愛とサッカーに対する学びの姿勢で死闘を繰り広げることで、国内で人気を集めている。
それほど、韓国サッカー関係者のほとんどが、FCソウルがファンのために心のこもったサッカーを披露し、正常なメンタルを取り戻してくれることを望んでいるということだ。
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