新型コロナウイルス感染という危険があるにもかかわらず、開催を強行した2020東京五輪が閉幕した。日本は大会の成功を強調しながら自画自賛しているが、これから“赤字の逆襲”が待っている。
東京五輪を開催した日本政府と東京都は、数千億円の赤字の請求書を受け取ることになると思われる。最近、アメリカの経済専門誌『フォーブス』は、東京五輪の総費用を最大280億ドル(約3兆900億円)と推算した。これは前回、2016年リオ五輪の2倍の水準だ。
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今大会は新型コロナの余波で無観客開催となったため、赤字幅が大きくならざるを得ない。8月9日、日本の『読売新聞』は、日本最大のシンクタンクである野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストの話を引用し、莫大な経済的損失の問題を指摘した。
同紙は「東京都に4度目の宣言が発令された7月12日以降、外食や宿泊の機会が減り、宣言による経済損失は2兆1900億円に及ぶ」と伝えた。世界的なスポーツイベントの開催で得ることができる経済効果をまともに享受できなかったわけだ。
また、大会開催で予想されていたチケット収入900億円も消え、莫大な費用は完全に東京都と東京オリンピック組織委員会が抱え込まなければならない状況だ。
現実的に莫大な被害は、日本国民の負担になる。複数の日本の週刊誌は、今大会の総損失を4兆円と推算。そのうち1兆4519億円を東京都が負担しなければならないと指摘した。都民一人当り、10万3929円をオリンピック開催費用として支払う計算になる。
莫大な赤字を抱え込む状況は、政治に対する不安につながるしかない。『朝日新聞』が東京五輪閉幕期間である8月7~8日の両日、全国18歳以上の男女1395人を対象に世論調査を行った結果、菅内閣の支持率は28%となった。日本の主要メディアの世論調査で、菅内閣の支持率が30%以下に落ちたのは今回が初めてだ。
開幕前、オリンピック開催に反対した日本の世論は、過半数に上っていた。結局のところ、国民の反対のなかで開催を強行した現政権は、“赤字の逆襲”によって自滅への道を進んでしまうのかもしれない。
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