野球ファンから失望の眼差しが注がれるワケ…韓国プロ野球がオールスター戦2年連続中止か

韓国野球委員会(KBO)がオールスター戦開催の可否を巡って頭を悩ませている。

7月12日、緊急理事会を通じてシーズン中断とは別にオールスター戦の開催を発表した韓国プロ野球界だが、2年連続で行われない可能性が浮上した。新型コロナの影響でシーズンを中断させた状況にもかかわらず、オールスター戦を開くのも立つ瀬がないということだろう。

KBO関係者は7月15日、「オールスター戦を開催するかどうかを巡って悩んでいる」と明らかに。KBOは当初、7月12日に緊急理事会を終え、18日まで前半期最後の試合日程を取り消すとしながらも、24日に高尺(コチョク)ドームで行われるオールスター戦は無関係で開催すると発表していた。

ところが首都圏ではコロナ感染者が増加しているのに、スタジアムを閉鎖して10球団の選手が一堂に会するのは矛盾の極みだ。当たり前の話だが、人流が多ければ多いほど感染の危険性は高まる。

ファンもお祭りムードとは程遠く…

オールスター戦が開催される高尺(コチョク)スカイドーム

オールスター戦は無関係として開催するにしても、多彩なイベントも同時に行われるため、外部スタッフも多数動員される。現在、韓国プロ野球10球団は、それぞれチームでの練習を進めている状況なので、ともすればオールスター戦以後、感染者と濃厚接触に伴う自己隔離者が増えるかも知れない。

KBOと球団がシーズン中断を決めたのは、もちろん新型コロナが理由だ。NCダイノスと斗山(トゥサン)ベアーズの2チームに感染者が発生しただけでなく、新規感染者が急増している首都圏の状況も考慮し、前代未聞のシーズン中断を決定した。

【関連】東京五輪控える野球韓国代表、コロナ防疫違反の選手が辞退

ところが、もしもオールスター戦で新型コロナに感染した選手が代表チームに集まるとすれば、韓国野球界はさらに大きな混乱に陥ることになる。

またファンもお祭りムードとは程遠いのが現実だ。シーズンが中断される一連の流れから問題だらけだったことが、徐々に明らかになっている。防疫規則を違反したのはもとより、疫学検査で虚偽の供述を行ったという主張も出ているのだ。

野球ファンの失望感は底を突き破って、針がマイナスに振り切れている状況だが、はたしてオールスター戦に向けて盛り上がれるかどうか怪しいところである。

東京五輪にも影響か

オールスター戦が東京五輪と重なるのも考慮すべき点だ。オリンピックの開会式は、オールスター戦前日の7月23日に行われる。

NCダイノスの選手たち

野球韓国代表は、23日にライジングスターチームと、25日に育成年代との親善試合を計画している。正常にシーズンが行われていれば、代表チームとオールスター戦を並行しながら野球熱は持続したであろうが、今となっては野球への視線は冷める一方だ。

特にシーズン中断の主犯となったNCダイノス所属選手への印象が良いはずがない。ファンの興味も野球ではなくオリンピックへと移り変わる可能性が高い。

もしもオールスター戦が中止となった場合、韓国プロ野球は歴史上初めて2年連続でオールスター戦を行わないこととなる。2020年はコロナ禍のなかで開幕し、オールスター戦なしでレギュラーシーズン終えた。

そして2021年は正常にシーズンのスタートを切ることができたがが、NCダイノスの選手の間違った行動と、前代未聞のシーズン中断で、お祭りを開く雰囲気は醸成されずにいるのが現状だ。

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