招集初日なのに、まるで初日ではないかのようだ。
キム・ハクボム監督率いるU-24韓国代表の候補メンバーは、6月22日に坡州(パジュ)のサッカー国家代表トレーニングセンター(NFC)に招集された。今回は全23人が集まった。
東京五輪に出場できるのは18人のみ。そのなかにはオーバーエイジ枠の3人も含まれているため、現在の23人からさらに8人が脱落することになる。生き残りをかけた極限のサバイバルはすでに始まっているのだ。
「すでに全員の実力はチェックした」というキム監督は、「これからは実力よりも第1回目の準備をどれだけ上手くできるか確認するつもりだ。チームの犠牲になることも重要だ」とし、「グループステージだけでなく、決勝トーナメントで対戦する可能性のある相手も想定して、どの選手がふさわしいかを確かめている」と、さまざまなシナリオを通じて選手をチェックする意志を明かした。
その言葉通り、U-24韓国代表の招集初日の風景は一風変わったものだった。
一般的に、初日の練習はストレッチングや簡単なトレーニングが主流となる。しかし、キム監督は体力やペナルティキックの練習に時間を割いた。
23人の選手は2つのグループに分けられ、一方はサイクルに乗り、もう一方はサーキットトレーニングを行った。この間、キム監督は事細かに動きを指摘するなど、選手の状態を確認していた。
取材陣の目には初日からハードな練習にも見えたが、韓国サッカー協会(KFA)関係者は「今日はハードではない」と説明。キム監督も「ウォーミングアップ程度だ」と述べていた。
この日、最後の練習はペナルティキックだった。U-24韓国代表は東京五輪本大会で決勝トーナメントに進出した場合、準々決勝からPK戦にもつれこむ可能性がある。
ただ、今回の練習はキッカーを決めるというより、選手個々の長所や短所を把握する意図がある。「PKを上手に蹴られる選手がいる」というのがキム監督の説明だ。
PK練習はGKが1人ずつ含まれた3つのグループに分かれた。キム監督はキッカーがボールを蹴る前、GKが先に動いたかどうかをビデオカメラで確認するほど、細かな部分まで神経をとがらせた様子だった。
結局、PK練習を通じて最下位のチームが決定。最後はじゃんけんによってMFイ・ガンイン(20、バレンシア)が罰ゲームを受けることになった。この後、イ・ガンインは全選手にコーヒーをおごったようだ。
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