韓国Kリーグの“もう一つの戦い”…後半戦のカギを握る夏の「追加登録期間」がスタートへ

2021年06月23日 サッカー #Kリーグ

韓国Kリーグ1(1部)はシーズン中、6~7月の最大4週間に選手の追加登録ができる。2021シーズンは6月23日から7月20日までだ。追加登録期間にチームに合流した選手は、登録翌日から試合出場が可能となる。

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例年、Kリーグの各クラブは追加登録期間で前半戦に露呈した脆弱な部分を補強すべく、新戦力の獲得に集中する。

今シーズンもその傾向は変わらない。前人未到のリーグ5連覇に挑む全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースは、蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)に押し出され2位で前半戦を終えた。最大の悩みは守備陣であり、なかでもサイドバックだ。

全北現代は現在、昨年夏にサウジアラビアへ渡った元アルビレックス新潟DFキム・ジンス(29、アル・ナスル)の復帰交渉に乗り出しているほか、すでにタイ代表DFササラック・ハイプラコーン(25)をレンタル移籍で獲得している。今回の追加登録期間を通じ、即戦力のサイドバック確保を図る可能性が高い。

パク・ゴナ監督体制で好調を維持し、3位で前半戦を終えた水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスは、ドイツ・ブンデスリーガのフライブルクを退団した韓国代表MFクォン・チャンフン(26)が復帰を果たした。また、ワントップ不在で下位に低迷するFCソウルはブラジル人FWガブリエル・バルボーザ・アベリーノ(22)の獲得を図っている。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)クォン・チャンフン

Kリーグに昇降格制度が導入された2013年以降、追加登録期間に新しいユニホームを着た選手は計262人で、国内選手が171人、外国人選手が91人。最多は2015年の41人(国内26人、外国人15人)で、次いで2019年が40人(国内27人、外国人13人)だった。

ただ、新型コロナウイルス感染症の影響もあって2020年は計23人と数字が急落。なかでも外国人選手は入国に困難を強いられたことから、過去最低となる4人の登録にとどまった。

追加登録期間に獲得した選手が圧巻の活躍を見せるケースもある。

2015年のFCソウルは同期間、Kリーグ2(2部)で得点王に選ばれたことのあるブラジル人FWカルロス・アドリアーノ(33)を大田(テジョン)ハナシチズンから獲得した。すると、アドリアーノは移籍後初試合の蔚山現代戦でデビューゴールを決めるなど、後半戦の13試合で8ゴール1アシストをマーク。FAカップでも活躍を披露し、チームの優勝に貢献した。

2013年には、水原三星が攻撃力強化のため中国でプレーしていたブラジル人MFサントス(35)を獲得。サントスは後半戦19試合で8ゴール1アシストを記録し、自身の役割をまっとうした。

今季は新戦力獲得の効果が大きい?

専門家の間では、今シーズンの追加登録期間に加わる選手の効果はさらに大きいと予想されている。

例年の新加入選手は、急いでチームに合流してすぐに出場していた。ただ、今シーズンは現在、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に伴う中断期間にある。リーグ再開は7月20日を予定しており、追加登録選手はチームメイトと連携を深めた状態で試合に臨むことができる。

ACLに出場する全北現代、蔚山現代、浦項(ポハン)スティーラース、大邱(テグ)FCにとっては不利になるかもしれない。というのも、これらのチームは追加登録期間に選手を獲得しても、ACLに出場させることができないからだ。

このため、ACLに出場しない各クラブは以前よりも余裕を持ち、新加入選手が新たな環境に適応できる期間を設けている。今夏にKリーグへ参戦する“ニューフェイス”の後半戦の活躍に期待したい。

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