「目標は0.2秒」韓国プロ野球で2年目を迎えるロボット審判、1軍での実用化はいつ?

韓国野球委員会(KBO)が、今年もフューチャーズリーグ(2軍リーグ)を通じて、「ロボット審判」のテスト運営を進めるとした。

現在、業者の選定入札を進めてはいるが、今年からは外部に一任するのではなく、KBOが独自にシステムを構築する計画だという。1軍での導入はまだ難しいかも知れないが、ロボット審判システムを地道に補完するため、KBOP(KBOのマーケティング子会社)でロボット審判システム事業を専担するそうだ。

ロボット審判システムは、自動でストライク、ボールの判定をする。トラッキングデータ機器が、投手の投げたボールがゾーンを通過した場合ストライク、通過しなかった場合はボールの判定を下す。主審はイヤホンを通じて機械の判定を受け、そのままコールする形となる。

2019年、米独立リーグのアトランティックリーグで初めてロボット審判システムがテスト運用され、KBOも昨年からフューチャーズリーグでロボット審判システムをテスト運用している。

1.5秒は長い…

しかし、まだまだ補完しなければならない部分が多く、実用化は遠いのが現状だ。まず、判定後に主審へと情報が渡されるまでの時間がかなり長い。KBOの関係者は4月8日、「フューチャーズリーグにおける昨年のテスト運用で、ボールがホームプレートの前面部を通過し、審判の耳に判定が伝わるまでに平均時間は1.5秒だった」と説明している。

(写真提供=スポーツ2i)

昨年KBOは、国内のPTS企業をロボット審判試験運営会社に選定。LGツインズ2軍球場の利川(イチョン)チャンピオンズパークと、NCダイノス2軍球場の馬山(マサン)球場に設置したPTS設備を利用してテスト運用に臨んだ。

野球にとって1.5秒は決して短くなく、一般的なプロ投手の投球モーションよりも長い。判定の伝達速度が1秒を超えると、投手のリズムが崩れることはもちろん、試合進行にも混乱をもたらしかねない。そして現状は判定精度もまた完全に信頼できる水準にいたっていない。

運用化のプロセスを資産に

それでもKBOは、将来に備えて着実にインフラを構築していく方針だそうだ。KBOP関係者は、「昨年テスト運用を行った際に現場からフィードバックを受けた。現場では0.2秒以内に主審の耳へと判定が入ってこそ、(試合が)円滑に進むと言っていた。今回の業者選定の要請書にも、基準を0.2秒と明示した」と述べている。

続いて「もちろん、これはすぐに実現できるかもしれない。メーカーの技術も重要だが、現実的に妥協しなければならない部分もあるだろう。業者が選定されれば、KBOと協議を通じてシステム開発が進められる」と付け加えた。

判定について議論している様子

韓国よりも1年早くロボット審判システムをテスト運用したアメリカの場合、判定時間を0.4秒まで短縮したという。

しかし、現在の技術力で0.4秒以下は不可能だというのが大方の見方だ。KBOがロボット審判システムを資産化しようとする理由もここにある。直ちに1軍の舞台に導入する水準ではないが、テスト期間を1、2年に限定したわけでもないだけに、内部の技術力でシステムを補完して発展させる計画だそうだ。

KBOは4月中に業者を選定し、選定後は約1カ月間にわたってKBOPでシステム開発および補完に入る。早ければ5月末、遅くても6月ごろには昨年のようにフューチャーズリーグでロボット審判のテスト運用が行われる予定となっている。

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