韓国女子サッカーの“黄金世代”が、悲願のオリンピック初出場へ最後の戦いに挑む。
女子サッカー韓国代表は過去一度もオリンピックに出場したことがない。ワールドカップにはこれまで3度出場し、2015年のカナダ大会ではベスト16入りも果たした。ただ、オリンピックとはまったくと言っていいほど縁がなかった。
オリンピック出場が難しい理由は、そもそも出場枠が少ないからだ。
本大会に出場できるのは計12カ国。今回の東京五輪では欧州3枠で、アジアと北中米がそれぞれ2枠ずつ与えられる。そのほか、オセアニア、南米、アフリカに各1枠が設けられている。また、日本が開催国枠として本大会に自動進出したため、アフリカと南米が残り1枠をめぐりプレーオフを行う。
前回の2016年リオ五輪アジア最終予選では、韓国は世界的な強さを誇るオーストラリアと中国に敗れ4位に沈み、本大会進出に失敗した。ただ、今回はオーストラリアが先に本大会出場を決め、日本も開催国枠で出場する。韓国としては、本大会に出場できる絶好の機会といっても過言ではない。
今回の機会を逃してしまえば、いつ再び本大会の舞台にノックできるかわからない。
現在の女子サッカー韓国代表は、FWチ・ソヨン(30、チェルシーFCウィメン)やMFチョ・ソヒョン(32、トッテナム)、MFイ・ミナ(29、仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)、DFシム・ソヨン(31、仁川現代製鉄)、DFイム・ソンジュ(30、仁川現代製鉄)、DFキム・ヘリ(30、仁川現代製鉄)など30代序盤の選手が主力だ。GKにはキム・ジョンミ(36、仁川現代製鉄)やユン・ヨングル(33、慶州韓国水力)ら30代後半の選手もいる。
彼女たちは韓国女子サッカーの“黄金世代”として代表の中心となり、韓国を2015年、2019年と2大会連続ワールドカップ進出に導いた。
次のオリンピックが開かれる3年後には年齢による衰えも避けられないだけに、今年がオリンピック初出場を果たせる実質的なラストチャンスといえる。
戦力面を見ても、新旧世代の融合が適切に行われている韓国が中国に後れを取っているとは考えにくい。チ・ソヨン、チョ・ソヒョン、FWイ・グムミン(27、ブライトン)ら海外組も総出動するだけに、中国を超えられる可能性は十分にある。
チ・ソヨンは「思ったよりもコンディションが良い」とし、「代表に来る前に多くの試合に出場したが、フォームも良くパフォーマンスも悪くなかった。所属チームで得た良い機運を代表でも続けていきたい」と語った。
キャプテンを務めるキム・ヘリは「チームの雰囲気がいつにも増して情熱的で、活気に満ちている。監督は素早い攻守の転換と能動的なプレーをいつも強調している。スピーディーにプレッシャーをかけてこそ、よりスムーズに攻撃に臨むことができる。たくさん、そして勤勉に走ろうと思う」と、並々ならぬ覚悟を明かした。
韓国と中国は本日(4月8日)、韓国の高陽(コヤン)総合運動場で第1戦を行い、同月13日に中国の蘇州(スージョウ)オリンピックスポーツセンターで第2戦を行う。
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