3月31日の創立式で本格的に始動した韓国プロ野球の新球団・SSGランダース(前SKワイバーンズ)。
新球団とはいえ元メジャーリーガーのチュ・シンスや、かつて横浜DeNAベイスターズで活躍したジェイミー・ロマックなど、2番から6番まで歴代級のネームバリューと実力を備えた打者が揃っている。
しかし、そんな重量打線の1番には、今年でプロ2年目のシーズンを迎える若手選手、チェ・ジフン(24)が起用されており、彼の成長と出塁が今シーズンの得点力に直結すると言われている。
SSGランダースのキム・ウォンヒョン監督は、早くからチュ・シンス、チェ・ジョン、ジェイミー・ロマック、チェ・ジュファン、ハン・ユソムといった5人で、打線の中核を構築した。
監督は、「2番から6番まではこのようなラインナップだ。もちろんこの中で打順が変わる可能性はあるが、基本的に5人はこの順に起用する」とし、上位打線への期待を示した。
監督の言葉通り、SSGランダースの中心打線はほかのどのチームと比べても劣らない強力打線だ。
メジャーリーグのオールスターにも選ばれたチュ・シンスを筆頭に、韓国プロ野球の歴代三塁手として最多本塁打記録を持つチェ・ジョン、4年間で135本塁打を放ったロマック、現役二塁手で最も優れた長打力を誇るチェ・ジュファン、そして1シーズン40本塁を放ったハン・ユソムという多士済々な顔ぶれとなっている。
韓国シリーズで優勝した2018年のように、強力な火力を武器にビックイニングを生み出すという勝利への公式が期待できるはずだ。
しかし、これはあくまでも予想に過ぎず、打線が繋がらなければビッグイニングも生まれない。チュ・シンス、チェ・ジョン、ロマックらはいずれも出塁率と長打率に優れた打者だが、確実に繋いでこそ強力なシナジー効果が生まれるはずだ。
そして全チームがそうであるように、1番打者の出塁率が非常に重要となってくる。これが開幕前からリードオフマンとして期待がかかるチェ・ジフンの打席が、さらに注目される理由だ。
開幕前までの調子は悪くないようだ。チェ・ジフンは30日に行われた最後のオープン戦でも、3打数2安打でマルチヒットを記録している。
多くの試合は消化できなかったものの、実戦を通じてよりシンプルかつ正確なバッティングができているようだ。昨夏はルーキーとして苦戦していたが、2シーズン目を迎えるだけにフィジカル面、メンタル面での向上が見込まれている。
何よりも守備において、チェ・ジフンは絶対的に必要な選手だ。フランチャイズ・プレーヤーであるキム・ガンミンのバトンを、チェ・ジフンが引き継ぐということがSSGランダースの描く青写真だ。
もちろん早期の成功は断言できない。しかし、SSGランダースにはチェ・ジフンが失敗したとしても、頼もしい“プランB”が用意されている。
キム・ウォンヒョン監督は、「打撃コーチがチュ・シンスを1番に推薦している。まだ考えていないが、状況によってはそのような起用もあり得る」とし、チェ・ジフンが思うような結果を残せなかった場合の調整も想定済みということだ。
“プランB”に挙げられたものの、チュ・シンスは1番打者として信頼できる選手だ。メジャーリーグでプレーした16年間、彼は1番として3365打席を消化している。1番打者としての出場時は、通算出塁率0.378、OPS(出塁率+長打率)0.824という高次元のリードオフマンとして活躍してきた。
大切に育てたいチェ・ジフンが失敗したとしても、SSGランダースは早くも二の矢を準備している。
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