3度も延期を続けたが、新型コロナの影響で中止になってしまった卓球の世界選手権(団体戦)。最も打撃を受けているのは、開催国の韓国だ。
本来は「2020ハナ銀行釜山世界卓球選手権大会」のタイトル名で、3月22日から釜山BEXCOで開幕する予定だった。しかし新型コロナが全世界に広がり、開幕日は6月、9月、そして来年2月28日と計3回に渡って延期となった。
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だが、最近になって世界各国はもちろんのこと、韓国でも新型コロナ“第3波”が猛威を振るうようなり、大会組織委員会は国際卓球連盟(ITTF)と協議した末、12月22日に大会取り消しを電撃決定した。大会組織委員会のユ・スンミン委員長は最近、韓国卓球協会長に再選されたばかりだった。
気になるのは、中止よって被ることになる被害の大きさだろう。
大会組織委員会は今年3月の時点ですべての準備を終えた状態で、この10カ月間、新型コロナの収束を待ったが、観客席の制作費や広報宣伝費などは、いまやそっくりそのまま韓国卓球協会の負債になりそうだ。
開催都市の釜山(プサン)市と文化体育観光部から予算が支給される問題や、タイトルスポンサーであったハナ銀行からの支援問題も複雑になった。
ユ・スンミン組織委員長は「どんな方法であれ解決策を用意しなければならない。欧州卓球連盟をはじめとする他国が、韓国で他の大会が開催できるよう協力しようとする動きを見せているため、全力で取り組む」としている。
パク・ユンジュン組織委事務副総長も「すでに釜山BEXCOは移動式観客席などすべての設備を整えている。そのため今後どの大会を招致しても大きな負担はない」と述べているが、まだ決まったことは何もない。
「2020ハナ銀行釜山世界卓球選手権大会」は、韓国卓球史上初めて誘致に成功した世界選手権になるはずだった。大会は故人となった趙亮鎬(チョ・ヤンホ)元韓国卓球協会会長が、2018年ITTF総会で誘致に成功した。
かつての世界選手権大会は、団体戦と個人戦を同時に開いたため、大型の室内体育館が一度に複数必要だったが、最近になって世界選手権大会は隔年制となり、団体戦と個人戦を分けて行っている。開催国の負担を減らし、多くの国で開催できるようにするためであり、韓国の卓球ファンたちも念願の世界選手権開催に胸を弾ませていただけに、中止決定の落胆は大きい。
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