テンポも変化も感動もなかったベント体制、その年俸の高さは到底理解できない

ベント監督はアジアカップ5試合中、終始「複製+コピー」かと思うほど、変わり映えのないラインナップを持ち出した。

変化かあったとすれば、グループリーグ最終戦の中国戦にソン・フンミンを先発投入したことと、カタールとの準々決勝で負傷したファン・ヒチャンに代わってファン・インボムのポジションを引き上げたことぐらいで、ベント監督が意図した変化ではく、「仕方なく」選んだ変化だった。

試合途中に投入された交代メンバーの顔ぶれも、いつも決まっていた。ク・ジャチョルやチ・ドンウォンはドイツ・ブンデスリーガで活躍しているが、負傷から回復したばかりなのでコンディションは良くなかった。

それでもベント監督は、2人がプレーするクラス(つまり欧州でプレーしていること)や、自分が志向するサッカーに適しているという理由で粘り強く起用し続けた。

イタリア・セリエBで大活躍し、コンディションが良かったイ・スンウは、トーナメントから交代の2番手、3番手として起用されただけだ。

キム・シンウクやソク・ヒョンジュンなど長身ストライカーを招集せず、カタール戦で後半34分先制ゴールを奪われると、DFのキム・ミンジェを最前線に上げる場面では多くのサッカー関係者たちから失笑を買った。

感動もなかった。ベント監督は1月7日のフィリピン戦から1月25日のカタール戦まで、毎試合不安な試合内容と苦しい戦術駆使で、韓国のサッカーファンたちの心をつかめなかった。

ベント監督とベント監督が引き連れてきたコーチたちにかかる年間予算が40~50億ウォン(約4億~5億円)であることを考えれば、なおさら理解できない。

中国とのグループリーグ最終戦で2-0の勝利を収めたが、相手が主力選手を退去温存させ、「負けてもかまわない」との考えで臨んできた点を考慮すると、韓国は大きな感動も与えられなかった。

ロシアW杯ドイツ戦の歓喜、ジャカルタ・アジア大会・金メダルの感動を、ベント監督が今回のアジアカップで吹き飛ばしてしまった。

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