韓国人メジャーリーガーのチュ・シンス(38)が、テキサス・レンジャーズとの7年間の同行にピリオドを打った。
チュ・シンスは9月28日(日本時間)、米テキサス州アーリントンに位置するニュー・レンジャーズ・ボールパークで行われた2020シーズンのメジャーリーグ最終戦、ヒューストン・アストロズとの試合に1番指名打者で先発出場した。
1回裏、打席に入ったチュ・シンスは、相手の守備シフトを破る奇襲バントを成功させたが、足首の痛みを訴えて交代となった。そのシーンが事実上、彼のレンジャーズでの最後の瞬間となった。
最後の試合を終えたチュ・シンスは、試合後のインタビューで「今日の瞬間を一生忘れられないようだ」と感想を話した。続いて、コンディションは良くなかったが、出場を強行したと伝えた。
彼は「片手でバットを持ち上げることすら大変だった。でも自分がどれほど野球を好きか、見せたかった。そんな姿が若い選手たちに影響を与えるのではないかと思う」と、野球に対する自分の情熱を表わした。
チュ・シンスは次シーズンも現役でプレーしたいという意思を表明したが、年齢とコンディションを踏まえると、容易ではないと考えられている。それでも「この冬も例年通りトレーニングをする。状況はいつでも変わるのではないか」と、現役続行の意志を示した。
一方のレンジャーズ球団側も7年間、チームのために尽くしてくれた選手に最後の愛情を示した。球団側は、チュ・シンスに明かさず、こっそり家族を試合会場に招待するイベントを準備した。チュ・シンスが打席に入ると、電光掲示板に妻ハ・ウォンミ氏が映された。
チュ・シンスも球団によるサプライズに驚いたとしながら、「ジョン・ダニエルズ団長が思わぬ大きな贈り物をしてくれた」と感謝の言葉を伝えた。またクリス・ウッドウォード監督も「チュ・シンスのコンディションが良くないことを知っていたが、最後の瞬間を飾ってあげたかった」と語り、ベテランへの尊重を明かした。
チュ・シンスの今後については、まだ不明だ。韓国球界に復帰する可能性も開かれている状況だ。しかし彼は9月27日の現地メディアとのインタビューで、「韓国プロ野球でプレーすることは、自分の夢のひとつだ。しかし家族がいて、一人で決めることができない」と、間接的に韓国復帰を否定した。
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