韓国代表MFイ・ガンイン(19・バレンシア)の状況が急変している。
今夏の移籍が有力とみられていたなか、一転して残留説が浮上している。
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複数のスペインメディアの報道によれば、U-21スペイン代表FWフェラン・トーレス(20)をマンチェスター・シティに放出したバレンシアが、イ・ガンインの慰留に努め始めたようだ。
イ・ガンインの残留が決まれば、彼のスタイルにチームを合わせる意志もバレンシアにはあるという。
イ・ガンインはバレンシアがこれまで活用した4-4-2のフォーメーションで居場所を失った。
彼は典型的な攻撃的MF、もしくはシャドーストライカーで、2列目の中央で能力を発揮するタイプだ。スピードに難があるためウィンガーではプレーしにくいし、守備の負担が増すことから中盤の列を下げるわけにもいかない。
その代わり、2列目の中央でフリーロールの役割を任せられれば、彼は試合のテンポを自由自在にコントロールすることができる。実際、U-20ワールドカップでもそれを証明してみせた。
バレンシアは昨シーズンと打って変わり、イ・ガンインに一定水準の出場時間を保障し、彼の成長を手助けする意志を見せている。
若手の重用を好むピーター・リム会長の介入も大きい。リム会長は昨年にもイ・ガンインの移籍を阻んでチームに残しただけでなく、シーズン中には2度の監督交代も断行した。
今回も12人に上る選手を放出対象にし、イ・ガンインなど若手選手にポジションを与える計画が伝えられた。メンバーの刷新が上手く行けば、イ・ガンインは昨シーズンよりも十分に満足しうる出場機会を得られるかもしれない。
イ・ガンインは1年前と似たような状況で選択を迫られている。
元々、イ・ガンインは今夏にもバレンシアを離れる意志が明確だった。ポジション争いの先に自身の未来が無いと判断した彼は、欧州内の他リーグに目を向けた。
移籍先候補の間でも、リーグ・アンのマルセイユが獲得に積極的だと伝えられた。ラ・リーガ内の下位クラブへ移籍する可能性もあるとの声もある。そうしたなかで唱えられたのが、今回のバレンシア残留説だ。
ただ、バレンシアに残ることへの懸念もある。
バレンシアは昨シーズンも似た方法でイ・ガンインを説得したが、結局のところは彼に十分な出場機会を与えなかった。
来シーズンのバレンシアはチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグにも出られないため、1シーズンの試合数も減少する。
それに、新たに指揮を執るハビ・グラシア監督がどのような選択を取るかはまだ不明だ。アルベルト・セラーデス前監督のように、ほとんど出場機会を与えられないかもしれない。イ・ガンインとしては考えたくもない最悪のシナリオだ。
残留か移籍か、イ・ガンインはどのような決断を下すことになるだろうか。
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