韓国Kリーグ序盤戦の“台風の目”は軍隊チーム!降格確定もペナルティも跳ね除ける奮闘ぶり

2020年06月04日 サッカー #Kリーグ

韓国Kリーグの2020シーズン序盤戦で、軍隊チームが“台風の目”となっている。今シーズンこそ“竜頭蛇尾”のジンクスを打破することができるだろうか。

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慶尚北道(キョンサンブクト)尚州市に本拠地を置く尚州尚武(サンジュ・サンム)FCは国軍体育部隊傘下のサッカーチームで、韓国サッカー協会所属の選手たちが兵役義務を遂行するために入団するチームだ。

尚州尚武に所属する選手たちは、韓国陸軍の兵役期間と同じ21カ月を過ごし、兵役期間が終わった選手は以前の所属クラブに戻る。ひらたくいえば、兵役義務がある有能なサッカー選手の受け皿である。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)尚州尚武FC

そんな尚州尚武は、尚州市とのフランチャイズ協約の終了により、すでに来シーズンの2部リーグ行きが決定してしまっている。現在は道内近辺の金泉(キムチョン)市や亀尾(クミ)市が移転候補となっている。

来季降格確定でも奮闘見せる

今シーズンの成績関係なく降格が確定していることから、開幕前はモチベーションの低下を嘆く見方が大半だった尚州尚武。しかし、ふたを開けてみるとその心配は杞憂に終わった。

開幕戦こそ蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)FCに0-4で完敗を喫したが、その後の2試合で連勝し、第4節の大邱(テグ)FC戦も1-1で引き分け、勝ち点7で6位につけている。

尚州尚武の好調が目立つ理由は、完敗の開幕戦から2連勝した第3節までペナルティを抱えたまま戦い抜いたという点だ。尚州尚武はKリーグ独自のU-22選手義務出場規定を守れず、エントリー選手2枠減(18→16)、交代カード1枠減(3→2)のペナルティが課されていた。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)第4節の大邱FC戦

というのも、尚州尚武は開幕まで残り10日と迫っていた去る4月29日、新型コロナウイルス感染症検査のためU-22枠3人を含む5人の選手を乗せた車両が診療所に向かっていたところ、交差点で信号違反した1tトラックと衝突する事故に遭っていた。

選手たちに交通事故による外傷は確認されなかったが、入院治療を終えた後も病気休暇を取ったことからチームへの合流が不可能に。韓国プロサッカー連盟に規定適用の猶予を要請するも受け入れられず、尚州尚武は開幕戦からペナルティを課されることになってしまった。

そのように正常なチーム運営が難しい状況でも、尚州尚武は着実に勝ち点を積み重ねてきたことで、序盤戦の“台風の目”と注目されているのだ。

例年の失速も今シーズンは無い?

尚州尚武は毎年、伝統的と言われるほど“竜頭蛇尾”のシーズンを見せてきた。一種のジンクスといってもいい。シーズン序盤は輝きながらも、終盤になるにつれて成績が落ち込むケースが多いのだ。

最大の理由は、シーズン中盤に主要選手が転役(軍隊で服務していた役種を他に変えること)するため、チーム全体のパフォーマンスが大きく変動するからだ。

今シーズンも途中で転役者が発生する状況は同じだが、例年のような大きな変化は無いとみられている。

バイエル・レバークーゼンなどでプレーしたリュ・スンウ(26)など、昨年1月に入隊した計6人の選手は、来る8月末に転役を控えている。その大半は最近の試合でも主力として活躍している。

尚州尚武としては、新型コロナウイルス感染症の影響で開幕が2カ月遅れた点が惜しいところだ。当初の日程通りであれば主力メンバーがもう少し多く試合を消化できたはずだったが、開幕延期によって第17節まで尚州尚武のユニホームを着てプレーすることになった。

ただ、惜しい点ばかりではない。

例年、シーズン中の転役者は10人を超えていた。メンバーの30~40%が一挙に抜けるため、転役前後でチームのパフォーマンスは大きく変わらざるを得ないのだが、今シーズンはシーズン中盤の転役者が以前よりも少ない。

シーズン終了直前の11月末には昨年4月に入隊した複数の選手が転役を迎えるものの、戦力には大きな影響を及ぼさないものとみられている。

例年よりも転役者が少ない今シーズン。尚州尚武はこの先どのような戦いぶりを見せるか、今後も注目したい。

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