韓国Kリーグ2部で“スタンドから指示する”監督が話題…ルール上の問題は?

2020年05月26日 サッカー #Kリーグ

2020シーズンの韓国Kリーグでは、1部に劣らず2部にも注目が集められている。そのうちの一つに、全南ドラゴンズ率いるチョン・ギョンジュン監督の“スタンドからの指揮”がある。

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去る5月10日の開幕戦に始まり、チョン監督は24日の第3節ソウルイーランドFC戦まで、3試合すべてでベンチではなくスタンドで指揮を執っている。試合中は随時ベンチのコーチ陣と無線で連絡を取り合い、戦術変化や交代のタイミングを指示している。

チョン監督は、かつて2018年ロシアW杯で韓国代表コーチに招へいされた際、当時初めて導入されたヘッドセットの戦力分析を担当し、ベンチではなくメディア区域に座ったことがある。

それにインスピレーションを受けたのか、チョン監督は今シーズンからスタンドからの指示を始め、注目を浴びている。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)スタンドから指示を送るチョン・ギョンジュン監督

全南FCは開幕前、新加入のブラジル人MFロドルフォ(27)が負傷により長期離脱となるなど、予期せぬ悪材料に頭を悩ませていた。ところがふたを開けてみると、開幕3試合で無敗(1勝2分)とともに2部で唯一無失点という鉄壁のディフェンスを誇っている。

そのため、チョン監督の“スタンドからの指揮”がより注目されているのだ。

チョン監督はソウルイーランド戦直後の記者会見で、「下(ベンチ)では見られないものを上(スタンド)から見ている。試合中は(ベンチのコーチ陣と)連絡し合い、すぐに修正できているのが助けになっている」とし、「これから何試合、どれだけやるというわけではない。ただ上から判断したときに良い部分があって」と強調した。

同日の記者会見では、Kリーグの試合監督官もチョン監督の“スタンドからの指揮”について直接質問するほど、大きく関心が寄せられていた。

“スタンドからの指揮”は規定に引っかからないのか?

この件をめぐって一部では「規定に反しないか」と疑問の声も挙がっているが、結果から言うと規定上何の問題もない。

韓国プロサッカー連盟広報チームのヤン・ソンヒ氏は「通常、監督がわざわざベンチを空けてスタンドに行くことはあまり無いため、関連の規定は明文化されていない」と述べた。

試合における監督とコーチ陣の位置に関する規定は、韓国プロサッカー連盟定款第3章試合規定第16条3項に含まれた“制裁中の指導者”に限られている。「出場停止制裁中や試合中に退場処分を受けたコーチ陣は、公式戦でスタンドやロッカールームを除く地域への立ち入りが制限され、試合前のウォーミングアップ指導や試合中の電子機器使用を含む指導行為が不可能」といった内容だ。

今回のチョン監督のように、懲戒対象ではない指導者が自らスタンドに座ることに対しては、制止する根拠がないということである。

ただし、現在無観客で行われているKリーグが今後観客動員を解禁した場合は状況が変わる。

ヤン・ソンヒ氏は「観客が入っているときに監督がスタンドに座った場合、警護員を付けなければならないため、アウェーでは制限される」と話した。

これについて、全南関係者は「チョン監督は新型コロナの事態で(リーグ開幕が延びた期間)対戦チームの状況をまともに把握できなかったことを受け、最大限情報を得ようとスタンドから指揮を執っている」とし、「観客が入った場合にスタンドに座ることが難しくなるのは認知している。ただ、(観客入場が制限される)ビデオ分析官が座る場所だったとしても、最大限上から試合を見たいという意志がある」と話した。

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