韓国人歌手キム・ジョンミンとハロプロ出身歌手・谷ルミコの息子であるU-17日本代表FW谷大地(16、サガン鳥栖U-18)が、アジアの舞台で強烈な存在感を残した。
谷は4月13日(日本時間)に行われたU-17アジアカップ準々決勝のサウジアラビア戦で先発出場し、日本の同点ゴールをアシストする活躍を披露した。
184cmの体格を武器に戦った谷は1点ビハインドで迎えた後半27分、センターサークル付近から前線のFW浅田大翔(17、横浜F・マリノス)へ絶妙なスルーパスを送った。DFラインを抜け出した浅田は冷静に右足でシュートを流し込み、スコアを2-2と同点に戻した。しかしその後、試合はPK戦に突入し、日本は惜しくも2-3で敗れた。
この日は谷にとって初の先発出場だった。前回のグループ最終節オーストラリア戦では途中出場し、大会初ゴールを決めている。谷はわずか2試合の出場で1ゴール1アシストを記録し、同世代の日本代表における地位を固めた。
フル出場したサウジアラビア戦でも、ヘディングやパス、シュートに至るまで攻撃の展開における中心的な役割を担い、強いフィジカル、視野の広さ、空間把握能力を見せつけた。
「キム・ドユン」という韓国名を持つ谷大地は、かつて韓国でFCソウルのユースチームである五山(オサン)中学でプレーしていた。そして、現在は日本でサガン鳥栖U-18に所属している。
韓国人の父と日本人の母の間に生まれ、韓国と日本の二重国籍を持つ谷大地が“日本代表”を選択したことは、韓国サッカー界にも課題を突きつけた。将来的にA代表クラスへ成長し得る有望株をライバル国に引き抜かれたも同然といえるだけに、韓国代表にとって痛恨の損失と言える。
韓国は日本に比べてサッカーの裾野が浅い。芝のグラウンドやユースシステムなど、インフラ面でも相対的に劣る。
また、韓国でプレーする場合には兵役義務もあるため、メリットが少ないのも事実だ。
それだけに、今回の谷大地のケースを見ても、二重国籍を持つ選手がどちらの国のユニホームを着ることになるかは、「国籍」ではなく「機会」と「環境」によって決まることを示している。
■【写真】「兵役問題あるから日本代表に?」谷大地めぐり韓国で“不毛な論争”
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