アメリカのフロリダ州ブレイデントン・カントリークラブ(パー71・6465ヤード)で開催された米女子プロゴルフ(LPGA)ツアーの今季第2戦「ファウンダーズカップ」(総賞金200万ドル)。
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畑岡奈紗、笹生優花、山下美夢有、岩井千怜、岩井明愛、竹田麗央、西村優菜、勝みなみ、渋野日向子、吉田優利、古江彩佳、西郷真央など日本勢12人が出場したこの試合で、韓国のユン・イナ(21)がLPGAデビュー戦で厳しい洗礼を受けた。
昨年、韓国女子プロゴルフ(KLPGA)ツアーで複数のタイトルを獲得し、華々しく復活したユン・イナは、LPGAツアーのクオリファイングシリーズを通じてアメリカ挑戦を宣言した。
しかし、かつての「誤球プレー事件」による大韓ゴルフ協会(KGA)とKLPGAの処分が軽減されて復帰したわずか1年後に、早々とアメリカ進出を決めたことには賛否が分かれていた。
また、処分期間中に支え続けたマネジメント会社やスポンサーであるハイトジンロ、用具メーカーとも決別したことから、否定的な視線も多かった。そのため、ユン・イナのLPGAツアーデビュー戦は自然と大きな注目を集めたていたが、残念な結果となった。
シーズンに向けた準備としてトレーニングキャンプなどを行ってきたユン・イナは、LPGAツアーデビュー戦として「ファウンダーズカップ」を選択した。
初日は3バーディ・4ボギーの「72」と、ウォーミングアップのようなスタートを切った。しかし、2日目ではバーディ3つを奪うもボギー6つを叩いて3オーバーのパーとなり、大きく崩れた。特に、前半の16~17番ホール、後半の3~5番ホールで連続ボギーを喫し、巻き返しのきっかけを失った。
飛距離と正確性を兼ね備えたゴルファーとして評価されていたが、フェアウェイキープ率は42.9%(28ホール中12ホール)、グリーンオン率も63.9%(36ホール中23ホール)と低調だった。2日間で計63パット(ホールあたり平均3.6回)を記録し、注目されたドライバーの平均飛距離は239ヤード(約218.5メートル)だった。
さらに、2ラウンドのドライバー平均飛距離は211ヤードと落ち込み、新しい環境への適応に時間が必要であることを示した。
KLPGAツアーは通常4月初旬に開幕し、2月はシーズン準備期間とされることを考慮しても、デビュー戦で本来の実力の半分程度しか発揮できなかったのは、準備不足と言わざるを得ないだろう。
◇ユン・イナ プロフィール
2003年5月2日生まれ。韓国・ソウル出身。小学5年生から本格的にゴルフを開始。アマチュア時代は国家代表に選ばれた経験もあるほか、2019年の「韓国女子アマチュアゴルフ選手権」では大会史上4人目の“中学生王者”に輝き、2021年に正式にプロ転向。2022年6月の「DBグループ・第36回韓国女子オープン・ゴルフ選手権大会」で“誤球プレー”を犯すルール違反をし、韓国ゴルフ協会、韓国女子プロゴルフ協会から3年間の出場停止処分が下された。ただ、出場停止期間の社会奉仕活動やファンによる3500件近い嘆願によって、処分期間が「3年」から「1年6カ月」に減免し、2024年シーズンより韓国女子ツアー復帰。同年は大賞(年間MVP)、賞金女王、平均ストローク賞の個人三冠を達成した。2024年12月に行われたQシリーズ(最終予選会)を8位で通過し、2025年シーズンより米国女子ツアーでプレー予定。
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