尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の非常戒厳令が現在も継続されていれば、韓国サッカーの現場は一体どうなったのだろうか。
尹大統領は12月3日23時頃、龍山(ヨンサン)大統領室で緊急対国民談話を開き、非常戒厳令を発令した。
尹大統領は「私は北韓(北朝鮮)の共産勢力の脅威から自由大韓民国を守り、韓国国民の自由幸福を略奪する破廉恥な従北反国家勢力を一挙に撲滅し、自由憲政秩序を守るために非常戒厳を宣布します」とし、「私はこの非常戒厳を通じて、亡国、奈落に落ちる自由大韓民国を守り抜きます。そのために、私はこれまで敗悪行為をしてきた亡国の元凶、反国家勢力を必ず撲滅します。私はできるだけ早いうちに反国家勢力を撲滅し、国家を正常化させます」と宣言していた。
非常戒厳とは、戦時や事変などの国家非常事態が発生し、社会秩序が極度に乱され、行政及び司法機能の遂行が困難なときに大統領が宣布する戒厳を意味する。
宣布と同時に、戒厳司令官は戒厳地域内のすべての行政事務と司法事務を引き受けて管理する。尹大統領は戒厳司令官として、陸軍参謀総長のパク・アンスを任命した。
ただ、非常戒厳令を受けて韓国国会は直ちに本会議を実施。4日1時頃、非常戒厳令の解除要求決議案を可決した。
ウ・ウォンシク国会議長は決議案が可決された後、「国会の議決によって、大統領は直ちに非常戒厳を解除しなければならない。もう非常戒厳宣言は無効だ。国民の皆様にはご安心いただきたい。国会は国民とともに民主主義を守る」と述べた。
国会の可決後も沈黙を守っていた大統領室は、4日午前4時26分頃に国務会議を主宰し、国会が要求した非常戒厳令の解除要求決議案を可決した。
尹錫悦大統領は「国会の戒厳解除要求があり、戒厳事務に投入された軍を撤収させた。直ちに国務会議を通じて国会の要求を受け入れ、戒厳を解除する」とし、非常戒厳令の解除を表明した。
その一方で、「度重なる弾劾と立法壟断、予算壟断で国家機能を麻痺させる非道な行為を直ちに中止することを要請する」と伝えていた。
真夜中の騒動は韓国全土を混乱に陥れた。非常戒厳令の影響で、芸能界では続々とイベントが中止に。地上波3社(KBS、SBS、MBC)の朝の情報番組はすべて放送休止となり、ニュース特番が編成された。
加えて、4日に予定されていた各種フォトイベントも相次いで取り消しとなった。短時間の騒動だったが、その後の余波が現在も広がっている。
では、もし現在も非常戒厳令が続いていれば、韓国プロサッカーのKリーグはどうなっていただろうか。
2024年のKリーグ1・2部レギュラーシーズンは全日程が終了したが、昇降プレーオフは12月8日の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース対ソウルイーランドFCの第2戦を残している。
何より、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)、AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)はリアルタイムで開催中の状態だ。
実際、非常戒厳令が発令される直前には浦項(ポハン)スティーラーズがホームでヴィッセル神戸、光州(クァンジュ)FCがアウェイで上海海港とのACLEを戦った。本日(4日)も蔚山(ウルサン)HD FCがアウェイで上海申花と対戦し、ACL2では全北現代が5日にアウェイでムアントン・ユナイテッド戦に臨む予定となっている。
そこで、本サイト提携メディア『OSEN』がKリーグを主管する韓国プロサッカー連盟の関係者に“非常戒厳令が継続された場合のKリーグ開催可否”を尋ねると、関係者は「連盟の規定は最近作られたものであるため、戒厳令に対する規定がない」とし、「戒厳令において直接サッカーの試合を禁止しない以上、“正常通りの進行”がリーグの原則であるだろう」と答えた。
ただ、ACLの場合はKリーグと違って韓国プロサッカー連盟の主管ではないため、直接的な統制権限や規定がない状態だ。
これに対し、韓国プロサッカー連盟の関係者は「もしそのような場合、戒厳司令部が韓国プロサッカー連盟ではなくAFC(アジアサッカー連盟)に試合中止などを通知することで、ACLの試合を開催するかどうかが決定するはずだ」と話していた。
(記事提供=OSEN)
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