ソウルワールドカップ競技場の芝問題。スタジアムを運営するソウル施設管理公団のずさんな行政のせいで、サッカーファンとK-POPファンたちの間の葛藤が深まっている。
ソウルワールドカップ競技場の芝問題は、ここ数年間指摘されてきた問題だ。韓国代表の選手たちだけでなく、ソウルワールドカップ競技場をホームとするFCソウルをはじめKリーグ関係者たちも、芝の状態について不満をよく口にしてきた。
9月5日にはソン・フンミンがソウルワールドカップ競技場で行われたW杯アジア最終予選のパレスチナ戦を終えた後、「技術が良い選手が多いにもかかわらず、芝生のせいでボールをコントロールするときもドリブルするときも難しい状況が出てくる」と不満を吐露した。
実際、パレスチナ戦ではソウルワールドカップ競技場のピッチのあちこちに穴があるデコボコの状態だった。
ソン・フンミンの不満は音楽界にも飛び火した。ソウルワールドカップ競技場での公演を控えたIUが対象だ。サッカーファンとIUファンとの間で不満が殺到しているのだ。
10万席の全席が完売したIUのコンサートが予定通り行われるというニュースが伝えられると、サッカーファンと音楽ファン同士の対決はさらに激しくなり、炎上が止まらない状態になっている。
IUのファンたちは、芝の保護や施設管理の責任があるソウル市とソウル施設公団が責任を回避していると批判した。
IUファンたちは「今回のIUコンサートでソウル施設公団が2日間で稼ぐ収益は12億2600万ウォン(約1億3000万円)に達すると予想される」として、今年一年だけソウル施設公団が受け取るコンサート手数料が36億ウォンに達するのに、公団は芝の保護や施設管理を疎かにしていると批判している。
競技場の運営主体であるソウル施設公団は2021年、芝生の植栽層の砂を全面的に交換し、排水性能を引き上げ、10億ウォンをかけて天然芝と人工芝を混ぜるハイブリッド芝を敷いた。
ただ、問題は予期せぬところで起こった。 昨年8月に韓国政府主導で開催した「世界スカウトジャンボリー K-POPスーパーライブ」が禍根になったのだ。
このイベントでは、特別な芝の保護措置もせずにピッチ上にステージを設置したため、芝の損傷が深刻になった。その後もKリーグの試合やコンサートが続いたことで、復旧がまともに行われなかった。
さらに、今夏の蒸し暑い天気と大雨によって、状態がさらに悪化。結局、前出した事態となった。
そのため、IUのファンたちは、責任のあるソウル施設公団が毎年80億ウォンから100億ウォンの黒字を出しながらも、予算不足と人手不足を言い訳に芝生管理の責任を疎かにしていると指摘した。
実際、ソウルワールドカップ競技場でイベントを行う場合、ソウル施設公団は使用料のほかに「主催側観覧料収入の8%」の費用を別途受け取っている。
最近ではSEVENTEEN、イム・ヨンウン、さらにはIUなど人気歌手のコンサートを通じて数億ウォンから数十億ウォンの収入を得るソウル施設公団が、その監査を通じて芝の管理問題の原因を徹底的に究明するなど再発防止に乗り出すことをファンは要求している。
来月10月15日には韓国代表とイラク代表とのW杯アジア最終予選が予定されているが、その前にIUのコンサートも行われる。競技場側は芝生の復旧に力を入れるという立場だが、はたして…。
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