「50-50」に向けて着実に前進する大谷翔平(30、ロサンゼルス・ドジャース)。彼は9月11日時点で46本塁打、47盗塁を記録している。
「50-50」は140年以上の歴史を持つ米メジャーリーグにおいて誰一人到達できなかった領域だ。今季レギュラーシーズンは残り17試合としている。
偉業達成のためには1試合1試合の結果が重要となるわけだが、大記録へと突き進む大谷に同じ日本人選手が立ちはだかった。
大谷は11日、本拠地ドジャー・スタジアムで行われたシカゴ・カブス戦に「1番・指名打者」で出場し、4打数無安打を記録した。
この日、大谷はカブス先発投手の今永昇太(31)と3度対決したが、本塁打を放つことはできなかった。
1回の1打席目は遊飛、3回の2打席目は併殺打と打ち取られた。
ただ、5回の3打席目には本塁打性の打球を放った。今永が2球目に投じたスライダーを捉えると、ミートの瞬間、思わず「本塁打か?」と疑うような打球音が鳴った。打った大谷本人も、打球の行方を追ってしばらく立ち止まるほどだった。
打球は予想通り、フェンスの方へぐんぐんと伸びていった。しかし、右翼手のコディ・ベリンジャー(29)がウォーニングトラックでジャンプし、打球はフェンスとぶつかったベリンジャーのグローブに吸い込まれた。飛距離114mの大型打球だったが、本塁打とは縁がなかった。
大谷は8回の4打席目、カブス2番手ネート・ピアソン(28)の内角スライダーを引っ張り、右中間に打球を放った。だが、これも中堅手ピーター・クロー・アームストロング(22)の好守に阻まれた。飛距離は112mだった。
同日、大谷とのMLB2度目の対決を制した今永は7回7被安打(3被本塁打)3失点のクオリティスタートプラスを達成。カブスの6-3の勝利に貢献し、自身も今季13勝目を獲得した。
大谷と今永の初対決は、去る4月8日にカブス本拠地のリグレー・フィールドで行われた。
当時も大谷は2打数無安打に抑えられた。1回の1打席目はフルカウントの末に空振り三振、3回の2打席目は三邪飛だった。
このように、記録上で大谷は今永相手に5打数無安打の1三振と“苦手”な姿を見せている。
2人はMLBでこそ敵同士で対戦しているが、昨年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では同じユニホームを着て日本の優勝に貢献した間柄だ。今季大活躍中の大谷でも、今永に対しては「束手無策」のようだ。
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