全北現代モータースが、数的不利の状況で勝ち点1を獲得した。
3月4日、全北現代はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のグループH第2節シドニーFC戦をアウェーで戦い、2-2の引き分けで終えた。全北現代が先制するもシドニーFCに2点を返される苦しい展開となったが、終了間際の同点弾で敗北の危機を脱出した。
全北現代は初戦で横浜F・マリノス相手に完敗を喫していただけに勝利を求めていたが、惜しくも勝ち点3は得られず。2戦を終えて1分1敗となっている。
全北現代はラルス・フェルトワイクをワントップに据え、その両サイドにイ・スンギとハン・ギョウォンを配置。中盤にはキム・ボギョン、邦本宣裕、イ・スビンが入り、守備陣は右からチェ・チョルスン、ホン・ジョンホ、チェ・ボギョン、キム・ジンスが並んだ。キーパーはソン・ボムグンが務めた。
試合開始直後はシドニーFCが主導権を握ったが、全北現代も徐々にボールを持つ時間を増やし、相手にプレッシャーを与えた。フェルトワイクのポストプレーからキム・ボギョンや邦本、イ・スンギらがショートパスを散らし、ゴールを狙った。右サイドのハン・ギョウォンも、鋭い縦突破で相手の守備陣を脅かした。
前半3分、フェルトワイクのグラウンダークロスをイ・スンギがスルーし、反応したキム・ボギョンが左足でシュートを放つも相手GKに阻まれた。前半11分にはハン・ギョウォンのクロスをイ・スンギが頭で合わせたが、これもGKの正面だった。
前半15分にはイ・スンギのプレッシャーからキム・ボギョンがボールを奪い、ペナルティエリア正面でフリーのフェルトワイクにパスを送るも、打ったシュートはゴールの右にそれた。
前半30分のキム・ボギョンの左足シュートも枠に飛ばず、前半34分のキム・ジンスのシュートは相手守備陣に阻まれた。結局、前半通じて全北現代優勢の展開となったが、決定力不足に泣かされ無得点でハーフタイムを迎えた。
すると、後半開始早々に全北現代がリードを奪う。後半5分、キム・ボギョンのコーナーキックにホン・ジョンホが頭で合わせると、流れたボールが相手DFルーク・ブラッタンの足に当たり、そのままゴールに吸い込まれた。幸運にも、オウンゴールで全北現代が先制点を獲得した。
しかし、全北現代のリードは長く続かなかった。後半11分、ホン・ジョンホのクリアミスで流れたボールを相手FWトレント・ブハジアーに拾われると、対面したチェ・ボギョンも個人技で交わされ、正確な左足シュートで同点弾を叩き込まれた。
同点に追いつかれてから、全北現代が再び攻勢に出る。後半15分、イ・スンギに代わってチョ・ギュソンが入ると、フェルトワイクとツートップを組み攻撃に比重を置いた。
効果はすぐに表れた。後半19分、左サイドからキム・ジンスが上げたクロスにファーサイドのハン・ギョウォンがダイレクトでペナルティエリア内に送ると、反応したチョ・ギュソンがゴール正面で右足を振り抜いた。だが、シュートは惜しくもミートせず、ゴールの真上に飛んだ。後半22分には邦本が左サイドからグラウンダー性のクロスを放るも、ハン・ギョウォンのシュートはゴールに嫌われた。
粘り強く勝ち越し弾を狙った全北現代だったが、たった一度のカウンターで崩された。
後半29分、シドニーFCのカウンターで、チェ・ボギョンが相手のシュートを防ごうとペナルティエリア内でハンドを犯してしまう。主審はペナルティキックを宣告し、明らかな決定機阻止としてチェ・ボギョンにレッドカードを提示した。PKも決められ、全北現代は1-2で逆転を許してしまった。
初戦のマリノス戦でもイ・ヨンとソン・ジュンホが相次いで退場していた全北現代。2試合で3人も退場者を出すという、不運な展開を演出してしまった。
後がなくなった全北現代は、後半33分にフェルトワイクをイ・ソンユンに、後半37分には邦本をムリロ・エンリケに代え、最後の攻勢に出た。
すると後半44分、全北現代が辛くも追いつくことに成功した。ペナルティエリア外からムリロ・エンリケが放ったミドルシュートがポストに当たると、跳ね返りをハン・ギョウォンが冷静に流し込みゴールネットを揺らした。結局、2-2のまま試合は終了した。
数的不利に追い込まれるも、何とか勝ち点1をもぎ取った前年度Kリーグ王者の全北現代。次戦こそ今季ACL初勝利が見たいところである。
全北現代のACLの次節は、4月7日にホームでシドニーFCを迎える予定だ。
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