「“未成年へのセクハラ犯”という烙印を消したい」と訴えた韓国女子フィギュアスケート選手の主張は通じなかった。
大韓体育会スポーツ公正委員会は8月30日、イ・ヘイン(19)と韓国氷上競技連盟の双方に「イ・ヘインの再審議申請を棄却する」と伝えた。
イ・ヘインは前日の29日、ソウル松坡区(ソンパグ)のオリンピック会館で行われた大韓体育会スポーツ公正委員会の再審議に出席した。
当時、イ・ヘインは「未成年へのセクハラ犯という烙印が押されてしまった状況で、選手というよりは一人の人間、一人の女性として、セクハラ犯ではないという事実を明らかにしたいだけだ」とし、「国家代表として、合宿で酒を飲み、恋愛をしてはいけなかった。心からお詫び申し上げる。一生、過ちを悔い改める」と頭を下げた。
イ・ヘインは今年5月、イタリア・ヴァレーゼで行われたフィギュアスケート韓国代表の合宿に参加した際、宿舎で飲酒した事実が発覚。さらには、連盟が調査する過程で未成年で異性の後輩選手A氏に性的行為をしたという事実も明らかになった。
そのため、連盟はイ・ヘインに国家代表資格停止処分3年という重懲戒を下した。
だが、イ・ヘインは処分が決定した後、A氏とやり取りしたメッセージを公開し、A氏と恋人関係だったことを明らかに。連盟の調査過程で、自身とA氏が恋人関係であることを伝えなかったことで、事実関係を誤認されたと主張した。
ただ、そのようなイ・ヘインの主張は受け入れられず、国家代表資格停止3年の処分が確定した。
今回の再審議申請棄却を受け、イ・ヘイン側は今度は懲戒効力停止仮処分を申請し、懲戒無効確認本案訴訟を提起する案を考慮しているという。国家代表資格停止処分が軽減されない場合、イ・ヘインは2026年に開催されるミラノ冬季五輪への出場が不可能となる。
なお、イ・ヘインと一緒に酒を飲み、性的不快感を誘発する違法撮影をした女子フィギュア選手B氏も再審議に出席したが、やはり1年間の国家代表資格停止処分が確定した。
◇イ・ヘイン プロフィール
2005年4月16日生まれ。韓国・大田広域市出身。身長164cm。大韓民国のフィギュアスケート選手。高麗大学在学中。幼少期から“キム・ヨナの後継者”として将来を期待された有望株。2023年3月の四大陸選手権でキム・ヨナ以来14年ぶり、韓国勢史上2人目の金メダルを獲得。同年4月の世界国別対抗戦では韓国の銀メダル獲得に貢献した。2024年6月、同年5月にイタリア・ヴァレーゼで行われた代表合宿で発覚した宿舎での飲酒行為、未成年で異性の後輩選手へのセクハラ行為により、3年間の国家代表資格停止処分を下された。同年8月29日に大韓体育会スポーツ公正委員会の再審議を受けたが棄却され、処分の維持が決まった。
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