パリ五輪・バドミントン女子シングルスで金メダルを獲得した世界ランク1位のアン・セヨン(22)。
金メダル獲得後に発した協会への“爆弾発言”が尾を引くなか、彼女と海外選手の収入格差が注目を集めている。
8月12日、世界バドミントン連盟(BWF)によると、アン・セヨンは昨シーズン、ワールドツアー8大会での優勝とファイナル4強に進出したことで、賞金62万8020ドル(約9300万円)を受け取っていたと明かした。
これは、男子シングルス世界1位のビクトル・アクセルセン(30、デンマーク)が得た賞金64万5095ドル(約9500万円)に続く、全体2位に当たる金額だ。アン・セヨンは賞金のほか、約6100万ウォン(約660万円)も受け取っており、計1億円ほどとなる。
韓国実業バドミントン連盟の選手契約管理規定によると、高卒選手の入団初年度の年俸は5000万ウォン(約540万円)に制限されており、3年目まで年間7%ずつ引き上げられる。
2021年1月に光州(クァンジュ)体育高校を卒業し、同年にサムスン生命へと入団したアン・セヨン。入団初年度の年俸は規定に沿った5000万ウォンで、昨年“入団3年目”となったことで6100万ウォンとなっていた。ただ、国際舞台で争う他国の選手と比べると、非常に低い水準だと言える。
そんなアン・セヨンは最近、メディアのインタビューを通じて、バドミントン韓国代表選手の個人スポンサー、実業団選手の年俸・契約金に関する規定に改善が必要だと批判した。
彼女は「スポンサーや契約的な部分を防がず、たくさん開放してほしい」とし、「すべての選手に同じように接するならば、むしろ逆差別ではないかと思う」と主張したのだ。
現在、バドミントン協会の代表運営指針には、「国家代表資格でトレーニングおよび大会参加時には、協会が指定した競技服および競技用品を使用し、協会の要請時には積極的に広報に協力する」と記されている。
また、個人スポンサー契約は「位置は右側のカラー(ネック)」に指定し、数は1つに指定する。ただし、バドミントン用品会社および本協会のスポンサーと同業種の個人スポンサー契約は制限される」と明示されている。
そして、「個人スポンサー契約期間に、オリンピックおよびアジア大会など大韓体育会が主管して派遣する総合競技大会に参加する場合、大韓体育会の広報規定を遵守しなければならない」と書かれている。
すなわち、代表になると個人スポンサーを受ける余地は減り、協会を通じて行われると解釈できるのだ。
しかし、海外ではこのような規制がないという。
世界ランク13位のシンドゥ・プサルラ(29、インド)は昨年、広告料とスポンサー契約だけで710万ドル(約10億円)を稼いだという。同1位のアン・セヨンの総収入10倍に達する金額だ。
シンドゥ・プサルラの昨シーズンのBWFツアー賞金は5万4015ドル(約800万円)で、全体99位に当たる。
韓国バドミントン協会と連盟側は、「不人気種目の特性上、公式スポンサーからもらった現金と用品で、全代表選手とジュニア選手の支援が行われる。アン・セヨンだけではない」と説明した。しかし、内外から制度を補完するための動きが必要だという指摘だ。
なお、ユ・インチョン文化体育観光部長官は12日、「今こそ体育政策を新たに整え、改革する適期」とし、「バドミントン協会一つを語るのではなく、全体的に体育政策を覗いてみる必要がある」と述べた。文化体育観光部は大々的な調査を行ったのち、9月に結果を発表する計画だ。
(記事提供=OSEN)
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