「私が話したいことについて、一度は考えて解決してくださる大人がいてほしいと願っています」
世界ランキング1位のアン・セヨン(22)が8月5日午後(日本時間)、フランス・パリのポルト・ド・ラ・シャペル・アリーナで行われたパリ五輪・バドミントン女子シングルス決勝で、世界ランキング9位の何冰娇(中国)を2-0(21-13、21-16)で下し、金メダルを獲得した。
8月3日の準々決勝で山口茜(日本)を、4日の準決勝でグレゴリア・マリスカ・トゥンジュン(インドネシア)を相手に見事な逆転勝利を収めた後の金メダルだった。
アン・セヨンは人生初の金メダルを獲得し、韓国バドミントンに28年ぶりの女子シングルスの金メダルをもたらした。
韓国の女子バドミントン選手がオリンピックのシングルス決勝に進出したのは、1996年アトランタ五輪の金メダリストであるパン・スヒョン以来だ。アン・セヨンは東京五輪のベスト8敗退の悔しさを晴らした。
これでアン・セヨンは「グランドスラム」(オリンピック、世界選手権、アジア大会、アジア選手権)まで、あと一歩となった。アジア大会と世界選手権に続き、自ら最後のパズルと明かしたオリンピックをも制覇することに成功した。まだアジア選手権の優勝はないが、それも遠くないだろう。
しかしアン・セヨンは決勝後のミックスゾーンで、爆弾発言を放った。
複数の韓国メディアによれば、彼女は自身の負傷問題に関して韓国バドミントン協会に向けた批判的な発言をした。
まずアン・セヨンは「とても幸せだ。やっと息ができる感じだ。杭州アジア大会以降、膝の怪我のために多くの苦労をした。その瞬間が思い出される。膝に『お前のせいで人々に憎まれかけた』と言ってやりたい」と笑顔で語った。
その後、アン・セヨンは突然、韓国バドミントン協会の運営について批判し、代表からの引退を示唆する発言をした。彼女は「私の怪我は思ったより深刻だった。簡単には治らなかった。代表チームがあまりにも安易に考えていて、大変失望した」と述べた。
さらにアン・セヨンは「ハン・スジョントレーナーが私の夢を実現するために気を使ってくれた。つらい瞬間を過ごさせて申し訳ない気持ち」とし、「この瞬間を最後に代表チームとは一緒に続けていくのは難しいのではないかと思う」と強調した。
アン・セヨンは代表引退という意味かと尋ねる取材陣に、「よく話し合ってみなければならないが、大変失望した。後日、再び説明する機会があるといい。協会が今後どうやってくれるのかわからない。バドミントンだけできるなら、どんな状況でも耐えられると思う」と答えた。
最後にアン・セヨンは「代表チームを離れるといってもオリンピックに出られないわけではないと思う。シングルスとダブルスは異なる。シングルスだけ出るといって、選手の資格をはく奪されるわけにはいかない。協会がすべてを妨げているようにも感じる。自由という名のもとに放任している。私たちのバドミントンは大きな発展を遂げられると思うが、金メダルはひとつしか出ていない。振り返るべき時期ではないかと思う」と苦言を呈した。
その後の8月6日未明、アン・セヨンは自身の個人SNSを通じて「今日はロマンチックに終えたいと思っていたのに、私のインタビューに皆さん驚かれたでしょう?」という文章を投稿した。
彼女は「ひとまず宿題を終えた気分を少し楽しみたいが、そういう時間もなしに私のインタビューがまた別の記事に拡大されていて、私の物語は山あり谷ありで簡単ではありませんね」と書いた。
続けて「まず私のオリンピックを応援してくれ、待っていてくれて感謝します。その終わりに選手管理に関してお話ししたかったのですが、不本意ながら責任を転嫁する協会や監督の記事に再び傷つけられました」と述べた。
アン・セヨンは「私が優れているからではなく、選手が保護され管理されるべき点、そして権力よりもコミュニケーションについていつか話したかったのですが、また刺激的な記事で再生されるのは残念です」と語った。
彼女は「誰かと戦争するように話す部分ではなく、選手の保護に関する話であることを理解してください。そして引退という表現で曲解しないでください。私が話したいことについて、一度は考えて解決してくださる大人がいてほしいと願っています」と付け加えた。
金メダル獲得という喜びもつかの間、韓国バドミントン界には不穏な空気が漂っている。
(記事提供=OSEN)
■【写真】日本の金メダリストを差し置いて「なぜお前が前列に?」…韓国選手に海外から批判の声
前へ
次へ