ソン・フンミンの骨折離脱が、硬直化した韓国代表の“糸口”になりうる理由

右腕の骨折で手術台に上がるソン・フンミン(27・トッテナム)は、3月のカタールW杯アジア2次予選に出場することができない。

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トッテナムは去る2月18日(日本時間)、ソン・フンミンが右腕を骨折したため、手術すると伝えた。イギリス現地の複数のメディアによると、ソン・フンミンは6~8週間ほど欠場する見込みだ。

とはいえ復帰まで、さらに多くの時間がかかる可能性もある。所属チームであるトッテナムはもちろん、韓国代表として3月のスケジュールも消化できない状況だ。

サッカー韓国代表は来る3月、カタールW杯アジア2次予選の日程を再開する。3月26日にはホームでトルクメニスタンと対戦し、3月31日にはスリランカとアウェー戦を行う。

ソン・フンミンが3月のAマッチから欠場することは確定的だ。

硬直化している韓国代表の劇薬となるか

韓国代表としては、戦力低下が避けられない。ソン・フンミンは韓国代表のキャプテンであり、エースでもある。トッテナムで活躍しているという事実だけで力となる存在だ。パウロ・ベント監督の立場としては、残念な思いだろう。

韓国代表ではキャプテンとしてチームを引っ張るソン・フンミン(右)

ただポジティブに考えると、チャンスでもある。

ソン・フンミンは現在の韓国代表における“プランA”ともいえる絶対的な選手だ。韓国代表監督に就任したベント監督は、現在まで目に見える結果を残せずにいる。アジアカップは8強で脱落し、連勝を重ねると思われていたカタールW杯アジア2次予選でも2勝2分と苦戦している。

そんなベント・コリアに対して、過度に硬直したチーム運営が問題点として挙げられている。相対的に難易度が落ちるアジア2次予選では、さまざまな選手を活用して複数のプランをチェックするべきなのに、大きな変化を与えることもなく試合を進めているとの指摘だ。

特に、ソン・フンミンの活用法を批判する声もある。ソン・フンミンが所属チームの日程で“強行軍”となっても、ほとんど休息を与えることなく試合に出場させるからだ。

“プランB”を考え、実践するチャンス

そんなソン・フンミンが抜ける3月のAマッチは、ベント監督にとって新しい変化を試すチャンスといえる。

サッカー韓国代表を率いるパウロ・ベント監督

ソン・フンミンの空白を埋める他のFWをテストすることができ、従来とは異なる戦術とフォーメーションを試すこともできる。トルクメニスタンは楽な相手ではないが、ホームで戦う利点があり、スリランカは昨年の対戦で圧勝(8-0)した相手だ。

3月のAマッチ後に行われる北朝鮮やレバノンよりも劣る相手であるため、テストを行う絶好の機会と見ることができる。

もし“プランB”をテストし、収穫があれば、今後のチーム運営にも大きな助けになる。ソン・フンミンだけでなく、誰もが負傷のリスクを背負っているだけに、さまざまな運営方法があることは常に肯定的だ。

ワールドカップへの道のりはまだまだ遠い。今回の機会をうまく活用し、今後に明るい見通しを立てることが求められている。

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