事実上、移籍の話はなくなった。だが、ファン・ヒチャン(24・ザルツブルク)はこれに屈せずトレーニングに励んでいる。
実際、ファン・ヒチャンには欧州各クラブから移籍のオファーが届いていた。プレミアリーグのウルヴァーハンプトンやレスター・シティ、リーグ・アンのリヨンが関心を示していた。
しかし、ザルツブルクはアーリング・ハーランド(ドルトムント)や南野拓実(リバプール)といった相次ぐ主力攻撃陣の移籍により、ファン・ヒチャンまでも移籍させるにはリスクが大きい状況に陥った。
結局、ザルツブルクのクリストフ・フルードSD(スポーツディレクター)はファン・ヒチャンを放出しない方針を明らかにし、彼に対するオファーをシャットアウトした。
これにより最有力候補に挙げられていたウルヴァーハンプトンは、ファン・ヒチャン獲得から撤退し、代替候補に目を移した。同クラブはエクアドルの新星レオナルド・カンパーナ(19)を獲得し、現在はオリンピアコスの10番ダニエル・ポデンス(24)を狙っているという。
ウルヴァ―ハンプトンが補強に拍車をかけたことで、ファン・ヒチャンが今冬の移籍市場で移籍する可能性は低くなった。だが、ファン・ヒチャンは現在チームトレーニングに励み、後半戦への準備に余念がない。
ザルツブルクはウィンターブレイクの期間、カタールのドーハでキャンプに取り組んでおり、親善試合を通じて実戦感覚を養うなど後半戦への準備を進めている。
ファン・ヒチャンは1月18日(日本時間)に行われたアル・アラビとの練習試合に出場し、前半45分だけで1ゴール1アシストを記録。その実力の健在ぶりを発揮した。試合は6-0でザルツブルクが完勝している。
1月25日にゼニト・サンクトペテルブルクと試合を行った後、ザルツブルクはキャンプを終えて帰国する予定だ。
ウィンターブレイク後、ザルツブルクは2月から後半戦のスケジュールがスタートする。
13勝5分の勝ち点44で首位を独走するザルツブルクは、2月15日に第19節のリンツ戦を戦う。2月21日にはUEFAヨーロッパリーグ決勝トーナメント初戦のフランクフルト戦も控えている。
ハーランドが去り、南野も去ったザルツブルクで、今やファン・ヒチャンがチームを代表するアタッカーとなった。2選手の空白を埋めうる重要な役割を任されただけに、後半戦の活躍に期待が集まる。
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