中国サッカーの赤裸々な現実が、アジアカップを通じて明らかになっている。
中国代表は1月17日(日本時間)、カタール・ドーハのアル・トゥマーマ・スタジアムで行われたアジアカップ・グループA第2節でレバノン代表と0-0で引き分けた。
レバノン相手に15本のシュートを放ち、得点チャンスを模索した中国だが、90分通して無得点に終わった。
去る13日の第1節でも、タジキスタン代表相手にシュート10本を記録したにもかかわらずゴールは生まれなかった。数日前と同じ光景が今回も見られた。
何より、対戦相手のレバノンとタジキスタンのレベルを考慮すれば凄惨な結果だ。
FIFAランキングで見ると、レバノンは107位、タジキスタンは106位と100位圏内にとどまっている。対する中国は79位だ。
しかし、試合内容や結果を見れば、中国が相手を大きく上回ったとは言い難い。いずれの試合も僅差であり、初戦のタジキスタン戦はむしろ相手の勢いに押し込まれた。いくら「順位がすべてではない」と言えど、屈辱に近い結果なのは明らかだ。
グループ2試合連続の引き分けにより、中国は決勝トーナメント進出を確定できない状況に置かれた。
中国のグループ最終節の相手は開催国カタール代表だ。
カタールは2連勝ですでに決勝トーナメント進出を確定している。かといって、中国が必ず勝利できるという保証はない。むしろ本大会でのパフォーマンスを見れば、勝利を予測するのは難しい。
仮に引き分けや敗戦で終われば、3位に転落する確率は高い。他会場でタジキスタンかレバノンのどちらかが勝利した場合、中国は3位に押し出されることになる。
今大会では全6グループの各組3位から成績上位4チームまでが決勝トーナメントに進出できる。脱落する方が逆に難しいというわけだ。
中国は2015年、2019年のアジアカップでいずれも準々決勝まで進出した。韓国や日本ほどではないが、東アジア勢でそれなりに競争力を持ったチームだった。
しかし、5年ぶり開催となった今回のアジアカップで、中国サッカーは後退した姿を露呈することになった。
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