イエローカードが飛び交う“混沌”の試合で、韓国代表が意味ある勝利を手にした。
ユルゲン・クリンスマン監督率いる韓国代表は1月15日(日本時間)、カタール・ドーハのジャシム・ビン・ハマド・スタジアムで行われたアジアカップ・グループE第1節でバーレーン代表を3-1で下し、大会初戦を勝利で飾った。
簡単ではない試合だった。前半38分にMFファン・インボム(27、ツルヴェナ・ズヴェズダ)の先制点が生まれるまで苦戦した。バーレーンの密集守備が予想よりも強かった。
“変数”もあった。主審を務めた中国出身のマー・ニン氏は、前半中盤まで激しいプレーに対し厳しくファウルを与え、比較的簡単にイエローを取り出した。
前半9分にMFパク・ヨンウ(30、アル・アイン)、13分にDFキム・ミンジェ(27、バイエルン・ミュンヘン)、28分にDFイ・キジェ(32、水原三星ブルーウィングス)と、韓国側だけで早々に3人がイエローを受けた。
いずれも危険ではないエリアで発生したファウルだったが、主審は非常に厳しい基準を適用し、カードを取り出しているように見えた。
ファウルの程度や状況を考慮すればある程度理解できたが、問題は“判定の一貫性”だ。
バーレーンの選手が韓国の選手に危険なタックル、ファウルを浴びせても、主審は滅多にカードを取り出さなかった。
故意に蹴ったり、足首に向かって激しいタックルをしたりしても主審は笛を吹くだけで、あれだけ簡単に取り出していたイエローは大事にしている様子だった。
特に後半1分、FWソン・フンミン(31、トッテナム)はボールと関係ない場面で太ももを強く蹴られるファウルを受けたが、そこでも主審はカードを控えた。
逆に同16分FWチョ・ギュソン(25、ミッティラン)が相手DFと衝突すると、そこではイエローを提示した。故意性もなければ、それほど荒くもない場面で、やはり厳しい基準が適用された。
試合会場に訪れた韓国のファンは、主審の判定に対し激しいブーイングを浴びせていた。韓国ベンチではクリンスマン監督やコーチングスタッフも強く抗議していた。一貫性のない判定を続けていただけに、十分抗議するに値する。
バーレーンの選手の荒いファウルは試合を通して散見された。実力では押されるだけに、激しい守備を仕掛けることは理解できるが、“レベルの低い”ファウルが出た点は眉をひそめた。
前半45分には、中盤でボールを奪われたMFモーゼス・アテデ(26)がピッチに倒れながら手でボールを扱う場面が見られた。
韓国のカウンターを阻止するための方法だったかもしれないが、国際大会、何よりプロの舞台ではほとんど見られないようなシーンだ。もしかすれば、町の近所のサッカーでも珍しい光景だった。当然、主審はアテデにイエローを提示した。
結局、90分間で主審が提示したイエローは7枚。韓国に5枚、バーレーンに2枚が提示された。
予想外の事象が続く展開に、ややもすると試合の雰囲気に飲み込まれかねない状況だったが、経験豊富な韓国の選手たちは冷静に危機を克服した。
前半に先制し、後半早々に同点を許した直後も、MFイ・ガンイン(22、パリ・サンジェルマン)の2得点で勝ち越しに成功。バーレーンの追撃を許さなかった。
どんな大会であれ、初戦が最も難しいものだ。
バーレーン戦の前日会見では、クリンスマン監督も「どの試合も簡単ではないだろう。始まりが本当に重要だ。参加するチームすべてが強い。弱い相手はいない。どれだけしっかり準備して、自分たちで成し遂げられるかが重要だ。バーレーンをリスペクトしている。難しい試合になるだろう。選手たちには継続的に”最初の試合を戦って次の試合を考えよう。今すぐ重要なのはバーレーン戦だ”と伝えている。初戦を上手く終えてこそ、次の試合を考えることができる。すべての焦点は、最初の試合に合わせられている」と、難しい試合になると見通していた。
実際、クリンスマン監督の予想は現実となったが、韓国は選手たちが危機を上手く乗り越え、大会初戦で勝ち点3獲得に成功した。
また、イエローを受けた5人中、キム・ミンジェ、イ・キジェ、チョ・ギュソン、パク・ヨンウの4人を適切に下げ、次戦を約束する余裕まで見せられた。
なお、韓国は来る20日の第2節、アル・トゥマーマ・スタジアムでヨルダン代表と対戦する予定だ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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